kanmie2_WEB立ち読み_181106
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■目的と適応●静脈血採血は,採取した血液成分を分析し,疾患の診断や病状の把握,治療の効果などを判断するために行います.●また,血液型や不規則抗体を調べたり輸血用血液を採取したりする目的でも行われます.■静脈血採血の種類●静脈血採血は,使用する物品の長所・短所を理解したうえで,適した方法を選択して実施できるようにしましょう.●真空採血管交換時の固定が不安定.●真空採血管挿入まで血管刺入の確認ができない.●1回の穿刺で複数●デッドスペースが大きいため,採血量が決まっている凝固などの検査では量不足となる可能性があり,注意が必要.●吸引圧が高く,細い血管からの採血には適さない.●血液の逆流や真空採血管による血液汚染の可能性がある.●血管穿刺の確認が●針の固定が容易.●真空採血管でも血液逆流の危険性が低い.真空採血管での静脈血採血●吸引時に針先が動きやすい.●分注による針刺し事故〔p.4〕のリスクが高い.●針が短く,手元に近いため,穿刺・固定が容易で,より細く短い血管でも穿刺しやすい.●吸引圧が調整できるため,細い血管からの採血に適している.●採血容量に制限が●血液が逆流する可能性がほぼない.●逆血の確認が容易.シリンジでの静脈血採血採血採血/静脈血採血臥位での真空採血管を用いた採血の場合は,逆流の危険性の少ない翼状針を使うようにしましょう.静脈血採血は最も一般的な採血法です.各組織で代謝された後の血液を,末梢静脈から採血します.■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■真空採血管+注射針真空採血管+翼状針シリンジ+注射針シリンジ+翼状針病気の診断,治療の効果判定の必要がある患者さん長 所の採血が可能. (原則,真空採血  管6本まで)●分注による針刺し事故のリスクがない.ない.健康診断を受診する人容易.献血を行う人短 所監 修近藤 一郎5静脈血採血

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