●看護問題はこれらの例に限らず，また全てAさんにあてはまるわけではないことを考慮し，次項よりアセスメントする．●喫煙や飲酒といったこれまでの生活習慣は，今後の治療や自己管理への取り組み方に影響する．●健康のための取り組みや，症状を自覚したときの行動・対処，これまで治療上の指示を実行できたか（アドヒアランス）などの健康管理状況における問題は，治療やストーマの自己管理の取り組み方に影響する．●これまでの健康状態の認識や疾患の罹患，直腸癌の告知，ストーマ造設などに対する認識の問題は，直腸癌の治療やストーマの自己管理の取り組み方に影響する．■Aさんの健康知覚-健康管理パターンに関する情報●Aさんの事例〔p.247〜255〕から得られた情報を次に示す．S情報①S情報③ストレスのせいかな…（治療方針説明終了後，看護師との面談時）最近だるさやめまいを感じることが多かったけ最近だるさやめまいを感じることが多かったけど，仕事も立てこんでるしストレスが溜まってるど，仕事も立てこんでるしストレスが溜まってるからだろうくらいに考えていました．ただいくらからだろうくらいに考えていました．ただいくら命のためとはいえストーマってのは何だか嫌だ命のためとはいえストーマってのは何だか嫌だねえ．どんなものかよくわからないけどねえ．どんなものかよくわからないけど（術前呼吸訓練実施の際）痰を出したいときはここを押さえるんだねもう飲まなくていいだろう（入院オリエンテーション終了後）あのとき，ちゃんと精密検査を受けておけばよかったんだよな．病気なんてしたことないし，健康には自信があったから…どこも痛くないのになまた先生の説明でわからないことが出てきたら教えてください手術Dr.ストーマ造設の術前）の患者さんについて考慮した際に想定しうる看護問題の例を次に示す．健康知覚（健康に関する認識）その他➡健康状態の認識の誤り□既往歴（特記すべきことはない）□□これまでの健康状態□（半年前の人間ドックで便潜血検査陽性．3〜4ヵ月前より便秘が続き，便柱狭小化がみられる．1ヵ月前より時々血便．その後，血便の頻度が増したため，受診し，直腸癌と診断）□これまでの健康状態の認識□これまでの健康状態の認識（3〜4ヵ月前から続いた便秘はストレスのせいだと思って気3〜4ヵ月前から続いた便秘はストレスのせいだと思って気にしなかった．1ヵ月前より時々血便を自覚していたが痔のにしなかった．1ヵ月前より時々血便を自覚していたが痔のせいだと思った．S情報①参照）せいだと思った．健康知覚（健康に関する認識）喫煙（無／□喫煙（ 無／有〔 〕）□□飲酒（無／有 〔350mL缶ビール2〜3本／週〕）□□健康のために取り組んでいることはあるか□ （50歳を機に家族に勧められ人間ドックを受診）□症状を自覚したときの行動・対処，その結果□症状を自覚したときの行動・対処，その結果 （行動・対処…症状は痔や食べ過ぎ，ストレスのせいだと症状は痔や食べ過ぎ，ストレスのせいだと思い，精密検査を受診せずに放置した．）思い，精密検査を受診せずに放置した．） （結果…症状が悪化し，受診した．）□内服薬（ 無／有〔 〕） □内服薬の管理状況（ ）□健康管理内服薬（無／□生活上の安全対策に関する考え方と行動 □感染（ ） □転倒・転落（ ） □身体損傷（ ） □その他 （ ）その他直腸➡不適切な健康管理これまでの健康に関する認識／有健康管理□現在の健康状態□ （stageⅡの直腸癌，手術目的で初めての入院）□現在の健康状態の認識□ （S情報②参照）□治療や療養における希望 （ ）□医療者に援助してもらいたいこと （ ）S情報②健康管理状況□治療上指示されている自己管理□ （無／有 〔禁酒，排便状況の確認〕）□服薬や治療上の指示で実行できなかったこと，／有その理由 （無／有〔 〕）□全身の外観（髪，皮膚，歯など全般的な観察）□ （髪，皮膚，歯などの清潔は保たれている．）□入院中の様子□ （看護師にひとつひとつ確認しながら術前呼吸訓練を行う．）S情報④安全対策その他➡不適切な健康管理□・□・赤字：Aさんの情報 ：問題となりそうな情報現在の健康に関する認識282■健康知覚-健康管理パターンで想定しうる看護問題の例●健康知覚-健康管理パターンで，Aさんと同じ性別・発達段階・疾患・治療（男性・中年期・直腸癌・直腸切断術と
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