看みえ4立ち読み
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■Aさんの健康知覚-健康管理パターンの解釈・分析・判断●想定しうる看護問題〔p.282〕をふまえ,「Aさんの反応(人間の反応〔p.12〕)」を解釈〔p.92〕し,その原因,誘因となりゆき,強みを分析〔p.95〕して,健康知覚-健康管理パターンを判断〔p.103〕する.そして,Aさんの健康上の問題を導く.:Aさんの解釈・分析の根拠となる情報:Aさんの実在する健康上の問題:Aさんの潜在的な健康上の問題:看護師が独自に介入できるAさんの健康上●禁酒を実施し,排便状●S情報①よりストーマに対して嫌悪感を示すが,入院し手術することを決めた.また,S情報②から,精密検査を受けなかったことを後悔している.●S情報③,④より,現在は手術が必要で,術後合併症を生じるおそれがあると認識できている.●便潜血や血便の原因は痔,便秘の原因はストレス,またS情報①より倦怠感やめまいの原因は多忙とストレスだと自己判断していた.さらに,既往歴がなく,S情報②より健康に自信があり健康を過信していた.健康知覚(健康に関する認識)●現在,健康状態の認識が改善してきていることや,健康管理に対する積極的な姿勢がみられることから,術後も適切な健康管理ができると考えられる.●手術に向け,禁酒や排便状況の確認を実行できている.さらに,S情報③,④より,病気や治療について積極的に理解しようとし,術前呼吸訓練では看護師に確認しながら取り組んでいる.Aさんの健康管理状況は適切か●家族の勧めで人間ドックを受診したこと,以前は症状を自覚しても精密検査を受けず,その後の症状悪化で受診に至ったことから,健康管理に対して受動的であったと考えられる.健康管理Aさんのなりゆき(術後を含む)Aさんの主な情報(予測を含む)事例②健診便 潜+血 ()ストーマを造設する直腸癌患者の看護過程Aさんのアセスメント(入院1日目)Aさんの健康上の強みAさんはどのようなパターンか健康には自信あり!過去の問題に着目することはもちろん重要ですが,その問題が今も継続しているかという点にも着目し,現在のAさんをアセスメントしましょう.こうやって呼吸すればいいんですね入院前のAさんは,健康状態を誤って認識し,受診行動が遅れるといった不適切な健康管理をしていました.しかし,現在では,入院や手術が決まり,医師の説明などを受けて自身の健康状態を理解したことで認識が変化し,健康管理行動に変化がありました.そのため,現時点では健康知覚−健康管理パターンは機能していると考えられるでしょう.これなら自分でできそうです■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■これまでのAさん直腸Aさんのこれまで・現在の健康に関する認識は適切か※健康管理のアセスメントにおいて,安全対策については情報が不足している.健康知覚-健康管理パターンの判断現在のAさん(入院1日目)況を確認できていた 強み 知識獲得による誤った認識の改善➡以前は誤った健康状態の認識があったが,現在は改善してきている. 強み 治療に対する積極的な姿勢(アドヒアランス良好)➡以前は健康管理に対し受動的だったが,現在は積極的な姿勢がみられる.機能障害的パターン潜在性の機能障害的パターン機能的パターン赤字の問題の原因,誘因・危険因子Aさんの健康に関する認識のなりゆき●癌の罹患以前には誤った健康状態の認識があったが,現在は改善してきていると考えられ,術後も正しい知識を得られれば自身の健康状態を正しく認識できると考えられる.知識獲得による誤った認識の改善治療に対する積極的な姿勢(アドヒアランス良好)Aさんの健康管理状況のなりゆき283

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