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●幼児期の生活習慣は,成人期〔p.122〕にも影響するとされている.●周囲の大人や年長児が手本を示しながら,バランスの良い食事,適度な運動,規則正しい睡眠・覚醒リズムなどの生活習慣の基盤をつくる必要がある.●乳児期には養育者に依存していた食事,排泄,清潔,更衣などの基本的生活行動を,少しずつ自分で行っていく必要がある.●幼児は成長・発達の途上にあるため,十分な栄養摂取や睡眠が必要である.●運動機能の発達には,身体を動かす遊びが重要である.また,工作など手先を使う遊びは微細運動の発達を促進する.●周囲の大人は,幼児の「自分でやりたい」という気持ちを尊重し,焦らずに見守ることが重要である.●乳児〔p.86〕よりも行動範囲が広がる一方で,危機管理能力は未熟である.そのため,交通事故,溺水,誤嚥・窒息,熱傷などの予防策をとる必要がある.●言語機能や情緒の発達には,周囲の人々とのコミュニケーションが欠かせない.●幼児はコミュニケーション機能が未熟であるため,言いたいことをうまく伝えられずにかんしゃくを起こすこともあるが,徐々に発達していく.●幼児期には,思考力や記憶力,言語機能の発達に伴い,指示を理解できるようになる.●遊びや基本的生活行動を通して,他者への配慮,ルール,マナーなどを身につけていく必要がある.これらは社会生活に必須の能力である.順番に並ぶんだよ●集団生活では感染しやすいため,予防接種,手洗い・うがいなどの対策が必要である.+αもっとわかる!幼児期は,言語機能や運動機能などの発達の個人差が目立ってくる時期です.また,「子どもが言うことを聞かない」「友達とトラブルを起こした」「食べ物で遊ぶのをやめない」など,親の悩みが多い時期でもあります.問題の多くは一過性のものですが,ときには発達障害を含む発達の偏りが隠れていることがあります.また,児童虐待〔p.73〕などの深刻な事態が起きている場合もあるため,看護師は病院や地域の様々な場で幼児と親をアセスメントし,子どもの特徴に合わせた適切な支援につなげていく必要があります.できない!ママやって!ママが何をやるの?ボタン!車が来ないかよく見てね!基本的生活行動の確立〔p.99〕コミュニケーション98 遊びを通して成長・発達する 幼児期の健康上のニーズ●幼児期〔p.94〕の健康上のニーズは,適切な養育を受けて成長・発達〔p.59〕し,社会生活に必要な能力を身につけることである.●起こりやすい問題としては,行動範囲の広がりに伴う事故,集団生活での感染などがある.幼児は危機管理能力が未熟であるため,周囲の大人が安全対策を徹底する必要がある.身体の成長・発達社会生活への適応生活習慣の基盤づくり安全確保

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