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●生活習慣病などの慢性疾患〔p.268〕に罹患することが増えるため,服薬や食事の管理などを行い,病状をコントロールしていく必要がある.●生活習慣病の発症率が中年期よりもさらに増えるため〔p.173〕,今後の介護予防のためにも積極的に予防に努める必要がある.●疾患や機能障害をもつ向老期にある人を理解する際には,これらの健康上のニーズを充足するうえで困難を生じていない●加齢による機能低下や外観の変化を受け入れ,加齢変化をできるだけゆるやかにできるように積極的に身体機能を保つだけでなく,老眼鏡などで加齢変化を補ったり,知恵や経験に価値を見いだしたりする時期である.●若年性認知症など,老化に伴う健康問題が出てくる場合もあり,介護保険などの社会資源を適切に活用する必要がある.●定年退職や再就職により社会的地位や役割が大きく変化する.それに伴う1日のスケジュールの変化や,精神的変化,経済状況などの生活上の変化にも適応していく必要がある.●加齢に伴う身体機能の低下が進行する前に,今後の生活設計を具体的に考えるなど,老後の生活に向けた準備を行い,老年期に備える必要がある.●定年退職などに伴い余暇時間が増え始める.趣味や地域での活動を通じて新たな人間関係を構築するなど,余暇時間を楽しみ,満足のいくものにしていくことができる時期である.●老後への不安や喪失体験によるストレスを感じやすい.他者と気持ちを共有するなどの対処を行い,うつ病などの精神的な健康問題を予防する必要がある.●子どもの独立や親との死別などの喪失を体験する一方で,祖父母としての役割など新たな役割の獲得も経験する.それらの変化に適応し,新たな役割を遂行する.発達段階ごとの個人の理解と看護成人期の個人の理解と看護+αもっとわかる!人生の意味人生の意味は何かは何か145 自信をもって老年期を迎えるために 向老期の健康上のニーズ●成人期から老年期への移行期間となる向老期の健康上のニーズ〔p.21〕は,老年期〔p.186〕に向けて人生を統合していくための準備を行うことである.加齢に伴う身体機能の低下が進行する前に,老後の生活設計やアイデンティティの再構築など,心身ともに準備を行い,自信をもって老年期を迎えられるように備える必要がある.かという視点が必要となる.加齢への適応老後の生活に向けた準備家庭における役割変化への適応■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■老後をどう老後をどう生きるか生きるか健康問題の予防,対処老年期に向けたアイデンティティの再構築●自己概念が揺らぎやすい時期である.自分自身を改めて見つめ直し,老年期に向けた生き方を考えることで,アイデンティティ〔p.47〕を再構築し,高齢者としてのアイデンティティを形成していく.メンタルヘルス対策〔p.289〕降圧薬慢性疾患の管理定年退職に伴う変化への適応満足のいく余暇時間を過ごす

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