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●下部食道括約筋(LES):lower esophageal sphincter ●胃食道逆流症(GERD):gastroesophageal refl ux disease胃胃?食道❶口腔❹肝臓●加齢による消化吸収機能への影響は少ないとされているが,次のような変化によって,食欲不振や便通異常などの消化器症状を生じると日常生活に影響することがある〔p.227,228〕.●唾液分泌量の減少により食道での胃酸中和作用が低下する.●口腔粘膜が薄くなり,膠原線維の増加によって弾力性が低下し,損傷しやすくなる.また,唾液腺の萎縮によって唾液分泌量が減少し口腔内が乾燥するため,粘膜保護作用や自浄作用が低下する.これらの作用低下により感染への抵抗性が減退する.➡感染症〔p.245〕のリスク⬆●肝細胞数の減少により肝重量・肝容積が減少し,門脈を中心に肝血流量が低下することで,代謝能や合成能,肝再生能が低下する.●症状や生活への影響は少ないが,薬物を代謝しにくくなるため,薬物動態への影響に注意が必要である.➡薬物の代謝遅延〔p.218〕●大腸の固有筋層や結合組織が萎縮し脆弱になることで,大腸憩室や●また,腸管壁の神経感受性低下による排便反射の低下,腹壁筋力低下による努責時の腹圧のかけにくさ,腸内細菌叢(腸内フローラ)の変化などが生じる.➡便通異常(主に便秘)●高齢者では,胃粘膜の萎縮によって特に胃体上部に潰瘍ができやすく,さらに胃酸分泌が低下するため,鉄やビタミンの吸収能が低下する.しかし,これは加齢による変化ではなく,ヘリコバクターピロリ(■■■■■■■■■)感染〔病①p.98〕による慢性炎症反応による場合が多い.発達段階ごとの個人の理解と看護老年期の個人の理解と看護+αもっとわかる!唾液⬇口腔内乾燥粘膜保護作用⬇自浄作用⬇感染症固有筋層や結合組織の萎縮蠕動運動⬇腸管壁の神経感受性⬇排便反射⬇便通異常●❷食道小腸❸大腸肛門●❷食道:蠕動運動の低下・下部食道括約筋(LES)の機能低下●LESの一過性の弛緩や,円背による腹腔内圧の上昇などにより胃酸が逆流しやすい.また,食道粘膜などの萎縮や食道壁内神経叢の機能低下によって,蠕動運動が低下すると,食道内の食塊や逆流した胃酸を胃へ排出しにくくなる.➡胃食道逆流症(GERD)〔病①p.60〕のリスク⬆,胸やけLESの一過性の弛緩横隔膜胃酸が逆流しやすい●❹肝臓:代謝能の低下薬物門脈肝血流量⬇胆囊膵臓粘膜の萎縮食道内神経叢の機能⬇蠕動運動⬇逆流した胃酸が胃へ戻りにくい唾液⬇胃酸中和作用⬇胸やけ代謝された薬物…代謝能⬇代謝遅延199 消化吸収機能への影響は少ない 加齢による消化器系の変化●消化器系は,口腔から肛門までの消化管と,肝臓や膵臓などの付属器から構成される.●❶口腔:粘膜保護作用の低下・自浄作用の低下粘膜が薄くなり,弾力性⬇唾液腺●❸大腸:蠕動運動の低下・排便反射の低下蠕動運動の低下が生じる.■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■LESGERD

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