看みえ5PDFから
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●生活の質(QOL):quality of life ●世界保健機関(WHO):World Health Organization●健康は,その人なりの身体的・精神的・社会的安寧(ウェルビーイング)というゴールを目指して走る車に例えることができる.●人は生まれつき1人1台の車を与えられているが,その性能(健康の決定要因〔p.257〕)は人によって異なる.●車の状態が安定し,適切に運転できていれば(資源や能力としての健康を適切に活用できていれば),その人はウェルビーイングの実現に向かうことができる.●看護師は,対象者がどのような資源や能力をもっているか,それらを活用できているかを見極め,健康状態を高められる+αもっとわかる!個人の健康状態は,生まれてから死ぬまで常に変化しており,これは一つの軌跡〔p.274〕としてとらえられる.軌跡をより良い方向へコントロールするために,看護師は健康状態に応じて変化する対象者のニーズ〔p.21〕を把握し,本人や家族などの重要他者〔p.35〕が行う軌跡の管理〔p.275〕を助ける必要がある. ウェルビーイング実現のための手段 健康とは●健康のとらえ方は時代とともに変化しており,現在では「その人なりの身体的・精神的・社会的安寧(ウェルビーイング〔p.252〕)を実現するための手段」として健康をとらえるようになってきた.●こうした健康観に基づく場合,健康とは「生活のための資源や能力をもち,適切に活用できること」である.一方で,健「健康は資源・能力」というのがわかりにくいです.WHOは身体的・精神的・社会的に全てが満たされた状態を健康とよんでいるし,誰でも健康になることを望んでいますよね?時代とともに健康のとらえ方は変わってきているよ.健康はウェルビーイングを実現するための手段として大切な役割を果たすけれど,健康そのものが生きる目的ではないと考えられているんだ.健康のとらえ方が変わってきた流れは,健康観の変遷〔p.254〕で解説しているから,勉強してみてね.ウェルビーイング〔p.252〕その人なりの身体的安寧その人なりの精神的安寧その人なりの社会的安寧250康でない状態とは,資源や能力が乏しく活用できない状態といえる.ように支援する必要がある.このような支援は対象者のQOL〔p.253〕の向上につながる.健康監 修大山 祐介●●資源・能力としての健康●●●●健康状態ごとの個人の理解と看護

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