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●数週間以内に死が訪れると考えられる状況.●また,対象者が「自分は終末期にある」と納得することも,終末期を決定づける要素とされている.●終末期の人は,医学的な健康状態〔p.263〕に応じて様々な局面〔p.279〕にある.死までの数週間は臨死局面〔p.377〕とよばれ,●本章では,主にがん〔p.271〕や慢性疾患〔p.268〕で臨死局面にある人とその家族などの重要他者〔p.35〕を対象として,特徴やニ医学的な健康状態+αもっとわかる!終末期とは,およそ3〜6ヵ月以内の死が避けられない時期である.看護師は,他職種と協働して対象者の苦痛を緩和し,その人らしい最期〔p.363〕に向けた意思決定〔p.371〕や,生活の様々な側面を支援する.また,大切な人との死別に直面する家族などの重要他者〔p.35〕のケアも重要な看護である. 死が近づいた時期 終末期とは●終末期とは,疾患や老衰が進行して死が避けられなくなった時期であり,一般的には死までの3〜6ヵ月を指す.しかし,この軌跡は一例であり,終末期の軌跡は人によって大きく異なります.がんの場合は比較的,生命予後が予測しやすいといわれていますが,虚弱な高齢者や慢性疾患〔p.268〕の増悪を繰り返している人では,いつ終末期に入ったのかわからないこともあります.また,事故や重篤な感染症などでクライシス局面〔p.321〕に陥るのと同時に臨死局面を迎える人もいます.看護師は,それぞれの特徴に応じたニーズを把握することが重要です.「終末期」は死までの3〜6ヵ月程度で,「臨死局面」は死までの数週間...ということは,終末期の人は臨死局面に至るまでの間に,様々な局面にあるということですか?そうだよ.例えば,がんが進行した状態で発見された場合,軌跡発症局面〔p.311〕が終末期に含まれる可能性もあるよね.また,終末期でも症状が落ち着いている人は安定局面〔p.350〕といえるし,緩和ケアで症状が改善してくると立ち直り局面〔p.332〕の特徴やニーズが現れることも考えられるね.から安定局面〔p.350〕不安定局面〔p.354〕から死の3〜6ヵ月前急性期〔p.298〕から下降局面〔p.358〕終末期死の数週間前臨死局面〔p.377〕死362より短い期間を終末期とする考え方や,時期で区切ることは難しいとする考え方もあり,その定義は明確ではない.差し迫った死に対応するニーズ〔p.21〕が生じる.ーズ,必要とされる看護を解説する.終末期の軌跡の例軌跡発症局面〔p.311〕良い慢性期〔p.336〕悪い監 修大山 祐介●●終末期とは●●終末期の個人の理解と看護

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