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●術後悪心・嘔吐(PONV):postoperative nausea and vomiting ●日常生活活動(ADL):activities of daily living●社会的活動を中断した状態●手術室を出て家族と再会する.十分に会話ができないこともあるが,非言語的なコミュニケーションは可能である.●手術が終わったことに安堵する一方で,身体的苦痛や活動制限などによる精神的苦痛を感じやすい.●術式や患者さんの状態にもよるが,安静臥床を指示されていることが多い.●絶飲食を指示されていることが多い.●創部やドレーン〔p.448〕などの状態に合った体位変換を必要とする.●麻酔から覚醒すると,創部痛,長時間の体位固定による疼痛,ドレーン刺入部痛などの疼痛を感じる.創部痛が最も強いのは手術終了から4〜13時間頃だといわれているが,患者さんによって異なる.●麻酔薬などの影響で,術後悪心・嘔吐(PONV)が生じることがある.●倦怠感,発熱,痰の貯留,嗄声,装着物の違和感,安静臥床などによる不快感がある.●DVTや関節拘縮を予防するため,ベッド上で下肢の運動を行う必要がある.●病院という社会から隔てられた場のなかでも,家族や職場のメンバーに連絡するなどの社会的活動を行うようになる.●身体的苦痛の軽減に伴い,様々な考えごとをしたり,周囲に関心を向けたりするようになる.●手術による身体の変化,社会的役割の変化,それらに伴う自己概念の揺らぎに適応し始める.この過程で悲嘆〔p.385〕を伴う場合もある.●体動制限などにより,褥瘡〔病⑭p.376〕が生じやすい.●早期離床を進めていく時期●回復に伴って,食事やトイレでの排泄が可能になるなど,ADLが拡大する.●創部痛は徐々に軽減することが多い.しかし,離床や腸蠕動の再開,硬膜外カテーテル抜去などに伴って疼痛が増強することもあるため,引き続き疼痛管理を必要とする時期である.●ADLがさらに拡大し,患者さんの状態によってはシャワー浴なども可能になる時期である.引き続き,安全なADL拡大を必要とする時期である.●退院後の生活について考える時期である.●ストーマ造設などにより生活様式が変化する場合は,知識や技術を習得したり社会資源を導入したりして,生活の再構築〔p.327〕が必要となる.●回復を実感し,喜びを感じることが多い.●退院後の生活について考え,入院生活から解放されることに安堵する場合もあれば,不安になる場合もある.●自己概念の揺らぎへの適応が進む.悲嘆が強い場合は専門職の支援を必要とすることもある.●起立性低血圧,歩行時の転倒,ラインの事故抜去など,離床に伴うリスク〔p.441〕があり,安全なADL拡大を必要とする時期である.●体動制限の緩和やカテーテルの抜去などに伴って不快感が軽減することが多い.●術後せん妄〔p.451〕のリスク●創部痛は軽減することが多い.創部痛が増強し,発赤,腫脹,熱感,排膿,発熱などがみられる場合はSSIが疑われる.●退院後は心身を回復させ,周囲のサポートを得ながら社会復帰していく.●術式によっては,退院に向けてADL訓練などのリハビリテーション〔p.262〕が必要になる.●回復が順調であれば,不快症状は軽減することが多い.不快症状が増強したり,新たに生じたりした場合は合併症のおそれがある.●術後5日目頃までは,術後手術療法を受ける個人の理解と看護/術後 社会的特徴 精神的特徴 離床・ADL 知覚である.である.435身体的特徴がある時期である.せん妄のリスクがある.

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