●全てのアセスメントの枠組みにおいて,現在の状態を示す情報だけでなく,それが入院前どうであったかまでを含めた情報を収集する.●年齢 ●性別 ●既往歴 ●疾患 ●治療内容●現在の疾患や治療内容などの基礎情報だけでなく,それらの退院後の経過や,地域・在宅での生活に関する基礎情報も収集する.●入院前の活動レベル●入院前の歩行状態●入院前の歩行時の●入院前の歩行時のふらつき,めまい,転倒の有無●日常生活に必要な体力●普段の活動レベル●歩行状態●歩行時の補助具●歩行時のふらつき,めまい,転倒の有無●病状が今後どう変化していくか●今後も継続が必要な●再発のリスクはある●アセスメントにおける「分析」の工程では,上記のような入院前から退院後まで含めた幅広い情報を考慮し,退院時までのなり●なりゆきを考える際は,なりゆきを良い状態にするような強みを見つけることも重要である.●在宅移行支援のアセスメントでは,患者さんが退院後も健康上のニーズを充足できるように,退院後に患者さんの健康上のニーズの状態がどう変化するか〔p.523〕を予測して,在宅へ移行する際の課題を明らかにする必要がある.そのため,入院前から退院後まで幅広く収集した情報をもとに,特に「分析」の工程で退院後のなりゆきを長期的に予測することが重要である.在宅移行支援のアセスメントにおける注意点を次に示す.+αもっとわかる!アセスメントの「分析」について,もう一度復習しましょう.ここでいう「分析」とは,解釈した「人間の反応」になるに至った原因・誘因,強み,そして将来のなりゆきを明らかにすることです.「人間の反応」のなりゆきを予測するときは,その反応を悪化させるような危険因子・増悪因子があるかどうかも考える必要があります.これらの要素は,情報収集が正しく行えていれば,情報項目と基礎情報のなかから推論することができます.そのため,なりゆきを正しく予測するには,十分に情報収集することが重要です.また,退院後は患者さん・家族が主体となって生活を組み立てていくため,なりゆきを良い状態にするような強みに着目することも大切になります.アセスメントの工程について,詳しくは『看護がみえるvol.4』を参照してください.かなど地域・在宅での生活に関する基礎情報〔p.488〕●自宅周囲の環境●自宅の環境●同居する家族の状況●経済状況●社会資源利用状況退院後の長期的ななりゆきも分析する退院時強み入院前の情報項目●入院前の日常生活に必要な体力補助具退院後524 退院後の長期的ななりゆきの予測が重要 在宅移行支援のアセスメントにおける注意点●看護過程のアセスメントでは,収集した情報をもとに現在の「人間の反応」〔p.20〕が適切かどうかを「解釈」した後,その原因・誘因や強み,なりゆきを考える「分析」を行い,介入すべき問題を明らかにする〔看④p.84〕.在宅移行支援の際もこの流れは基本的に同様である.退院後の経過や生活に関する基礎情報も収集する基礎情報〔p.27,看④p.50〕退院後の経過に関する基礎情報医療処置があるかゆきだけでなく,退院後の状態が長期的にどう変化していくかを考える.退院時までの「人間の反応」のなりゆき現在入院前の状態を示す情報も収集するゴードンの11の機能的健康パターンにおける活動-運動パターン「身体活動状況は適切か」に必要な情報項目の例必要な情報項目退院後の「人間の反応」のなりゆき退院
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