●明るさはサーカディアンリズム〔p.141〕を整えるため,昼●自然光と人工照明を,快適と感じる明るさに調整する(病室の窓の大きさは,床面積の1/7以上と定められており,病室の照明は100ルクスが目安である).●自身の体感ではなく温度計や湿度計で客観的な数値を把握する.●ここでは温度・湿度や明るさ,音,においなど病室全体の環境と,ベッド周りの環境〔p.60〕について解説する.●夜間,多床室においてベッドランプやテレビを使用すると,他の患者さんがまぶしく感じるため,消灯時間は守ってもらうなどの配慮が必要である.●患者さんによっては廊下のフットライトなどわずかな光●においには食べ物や排泄物,患者さんの疾患や症状特有のものなど様々ある.●においの発生源の除去や換気,●医療機器の作動音,テレビの音,話し声,看護師の足音やワゴンを押す際の音,同室者のいびきなどが,患者さんに不快感や睡眠障害などを引き起こす場合がある.●看護師はケア時に不必要な音を出さないように注意し,患者さんにはテレビやスマ●病室の外からの騒音には,一時的に扉や窓を閉めるなどの工夫をする.医療機器の●騒音を伴う処置(ギプスカットなど)は処置室で行う,大人数での面会はデイルームに移動してもらうなど工夫をする.●昼間は50dB以下,夜間は40dB以下が望ましい.温度・湿度音明るさにおい消臭剤・脱臭装置の使用により室内空気を清浄に保つ. 目安※:冬季 温度20±2℃,湿度40〜60%夏季 温度24±2℃,湿度45〜65% ●清拭など衣服を脱ぐ処置時にはできるだけ露出を少なくするなど保温を心がける.●換気するときには風が患者さんに直接当たらないようにカーテンなどで工夫する.●その他必要に応じて,空調や衣服・寝具を調整し,保温・加湿器具を使用する.※あくまでも目安であり,快適と感じる温度や湿度には個人差があることに留意する.ートフォンなどの使用時はイヤホンを使用してもらうなどの配慮が必要である.作動音など防止できない音の場合には病室の変更を行うことがある.夜の明暗に配慮する.でも睡眠を妨げられる場合があるため配慮する.58 患者さんにとって快適な環境に 病室の環境調整●病室の環境調整では,看護師自身の感覚ではなく患者さんの感覚を大切にする.また,何を快適と感じるかには個人差があり,病態や病室内のベッドや物品の位置などによっても異なるため,一人一人に合った環境を整えることが重要である.
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