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「看護に期待すること」 薬剤師:若林進さん

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「看護に期待すること」 薬剤師:若林進さん
学校生活/オフタイム
2016.12.16
看護に期待すること 第2回
看護に期待すること 第2回写真

 


秋山あんじぇら(あきやま・あんじぇら)
福岡在住の看護大学3年生。日本肺癌学会「肺がん医療向上委員会」の学生広報大使、がん情報サイト「オンコロ」の学生スタッフを務めている。姉は医学生で、アイドルグループ「LinQ(リンク)」の元メンバー・秋山ありす。
Facebook https://www.facebook.com/kangonotamago/
 
若林進(わかばやし・すすむ)
杏林大学医学部付属病院 薬剤部医薬品情報室担当、HIVチーム兼担。医薬品情報専門薬剤師、医療情報技師、スポーツファーマシストの認定を有する。東京薬科大学薬学部客員講師、杏林医学会評議員、日本医薬品情報学会理事。山梨県立大学で認知症看護認定看護師教育課程の講師も務める。


 

薬の提供以外でも活躍

秋山あんじぇら(以下、秋山):インタビューを担当させていただく、秋山あんじぇらと申します。釣りにハマっている看護学部3年生です(笑)。よろしくお願いします。

若林進薬剤師(以下、若林):杏林大学医学部付属病院薬剤部の若林進と申します。現在は、医薬品情報室を担当し、薬の情報を集約して医師や看護師に提供する仕事や、HIV 患者さんなども兼任で担当しています。趣味は、家で子どもや猫と遊んだり、仲間とプロレス観戦をすることです。よろしくお願いします。

秋山:薬剤師は、医療現場において大事な役割があると思いますが、具体的にはどのようなお仕事なのでしょうか。

若林:よく知られているのは、ドラッグストアや保険薬局などでお薬の相談を受けたり、病院から出された処方箋をもとに、患者さんにお薬を提供するというものですが、最近では多くの病院で病棟ごとに薬剤師が常駐して重要な役割を担っています。それは、入院患者さんへのお薬の説明や管理に加えて、副作用のリスクなどを考慮し、医師や看護師に状況に応じたアドバイスをすることです。

職種の特性を活かして協力していく

秋山:チーム医療において、薬剤師はどのような役割を担っているのでしょうか。

若林:現在のチーム医療では、医師、看護師、薬剤師などが一緒に患者さんの治療について検討していくという方法がとられています。私はHIV に感染した患者さんを多く担当していますが、1~2週ごとにHIV のチームが集まってカンファレンスを行い、治療方針などを話し合っています。薬剤師だからこそ気づくこともあるので、従来のように「薬を渡す」だけでなく、「この薬がいいのでは?」といった提案をするなど、「どんな薬がいいかを一緒に考える」ことからかかわるように変わってきていますね。

秋山:看護師と薬剤師が連携することによって、どんな利点がありますか。

若林::先ほども言いましたが、薬剤師が病棟に常駐することが増えたため、薬剤師にとって看護師がとても身近な存在になりました。薬でわからないことがあれば病棟内ですぐに質問ができるなど、より薬剤師を活用してもらえるようになってきています。また、薬剤師としても、看護師から患者さんの服薬状況や不具合などを共有してもらえるのが大きなメリットですね。コミュニケーションを円滑にとれる環境になったことで、より質の高い医療を提供できるようになってきているように思います。

秋山:薬剤師がそばにいてくれるのは心強いですね! ジェネリック医薬品も増えてきていますし、似たような効能でもたくさん種類があって、患者さんに「これはどんなお薬ですか」と聞かれたときに、きちんと答えられるかな? と不安に思うことがあるので(苦笑)。若林さんは、「看護師がいてよかった」と感じた出来事はありますか。

若林:病棟担当の薬剤師は1人で病棟の全患者さんをみているので、どうしても気がつかない点が出てくることがあります。そういうとき、24時間患者さんのそばにいる看護師から気づいたことを知らせてもらえるのがありがたいですね。また、患者さんにとって、看護師は病院のなかで一番身近な存在というのもポイントだと思います。以前、医師や薬剤師には「薬を飲んでいる」と伝えていたのに、実際には飲むのを中断してしまっていた患者さんがいたのですが、そのとき、看護師が薬を飲むのをやめた原因を上手に聞き出してくれて、患者さんに合った治療方法をチームとして考え直すことができたこともあります。

秋山:なるほど、やはり職種ごとに欠かせない役割があるのですね。それでは、若林さんが未来の看護師に期待することはありますか。

若林:今お話しした例のように、医療には「看護師にしかできない、看護師だからこそできること」があります。その特性を最大限に活かし、医師や薬剤師などと協力して、患者さんを支えていくことを期待しています。

学生のうちに“将来”意見を言い合える仲間を

秋山:若林さんは学生時代、勉強以外で「やっておいてよかった」と思うことはありますか。

若林:部活やアルバイトなどで、たくさんの人と交流したことですね。さまざまな話をして、自分の考えが広がっていくことが心地よかったです。また、他職種の人と出会っておけば、将来、いろいろな意見が言い合える仲間にもなります。働き始めると、看護職以外の友人をつくることが難しくなってくると思うので、学生のうちがチャンスではないでしょうか。

秋山:医療関係に限らず、たくさんの人と出会っておけば、人としての幅も広がりそうですね。今、出会う人たちが、将来意見を言い合える仲間になるというのもステキです! 最後に、看護学生にメッセージをお願いします。

若林:学生のうちに、課外活動をたくさんして友達をつくってください。狭い世界にとどまるのは、本当にもったいないことです。そして看護師になったら、ぜひ、病棟で薬剤師を頼りにしてほしいですね。病棟に1人しかいないことが多いので、かなりレアな存在ではありますが、きっとみなさんの力になれると思います。

秋山::私も実習でお会いしたら、ぜひ、声をかけたいです。本日はありがとうございました!

看護に期待すること まとめ

 
 


※本記事は、弊社発行の無料情報誌『INFORMA 2016-2017秋冬版』から転載・引用しています。

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看護に期待すること 第2回写真

 


秋山あんじぇら(あきやま・あんじぇら)
福岡在住の看護大学3年生。日本肺癌学会「肺がん医療向上委員会」の学生広報大使、がん情報サイト「オンコロ」の学生スタッフを務めている。姉は医学生で、アイドルグループ「LinQ(リンク)」の元メンバー・秋山ありす。
Facebook https://www.facebook.com/kangonotamago/
 
若林進(わかばやし・すすむ)
杏林大学医学部付属病院 薬剤部医薬品情報室担当、HIVチーム兼担。医薬品情報専門薬剤師、医療情報技師、スポーツファーマシストの認定を有する。東京薬科大学薬学部客員講師、杏林医学会評議員、日本医薬品情報学会理事。山梨県立大学で認知症看護認定看護師教育課程の講師も務める。


 

薬の提供以外でも活躍

秋山あんじぇら(以下、秋山):インタビューを担当させていただく、秋山あんじぇらと申します。釣りにハマっている看護学部3年生です(笑)。よろしくお願いします。

若林進薬剤師(以下、若林):杏林大学医学部付属病院薬剤部の若林進と申します。現在は、医薬品情報室を担当し、薬の情報を集約して医師や看護師に提供する仕事や、HIV 患者さんなども兼任で担当しています。趣味は、家で子どもや猫と遊んだり、仲間とプロレス観戦をすることです。よろしくお願いします。

秋山:薬剤師は、医療現場において大事な役割があると思いますが、具体的にはどのようなお仕事なのでしょうか。

若林:よく知られているのは、ドラッグストアや保険薬局などでお薬の相談を受けたり、病院から出された処方箋をもとに、患者さんにお薬を提供するというものですが、最近では多くの病院で病棟ごとに薬剤師が常駐して重要な役割を担っています。それは、入院患者さんへのお薬の説明や管理に加えて、副作用のリスクなどを考慮し、医師や看護師に状況に応じたアドバイスをすることです。

職種の特性を活かして協力していく

秋山:チーム医療において、薬剤師はどのような役割を担っているのでしょうか。

若林:現在のチーム医療では、医師、看護師、薬剤師などが一緒に患者さんの治療について検討していくという方法がとられています。私はHIV に感染した患者さんを多く担当していますが、1~2週ごとにHIV のチームが集まってカンファレンスを行い、治療方針などを話し合っています。薬剤師だからこそ気づくこともあるので、従来のように「薬を渡す」だけでなく、「この薬がいいのでは?」といった提案をするなど、「どんな薬がいいかを一緒に考える」ことからかかわるように変わってきていますね。

秋山:看護師と薬剤師が連携することによって、どんな利点がありますか。

若林::先ほども言いましたが、薬剤師が病棟に常駐することが増えたため、薬剤師にとって看護師がとても身近な存在になりました。薬でわからないことがあれば病棟内ですぐに質問ができるなど、より薬剤師を活用してもらえるようになってきています。また、薬剤師としても、看護師から患者さんの服薬状況や不具合などを共有してもらえるのが大きなメリットですね。コミュニケーションを円滑にとれる環境になったことで、より質の高い医療を提供できるようになってきているように思います。

秋山:薬剤師がそばにいてくれるのは心強いですね! ジェネリック医薬品も増えてきていますし、似たような効能でもたくさん種類があって、患者さんに「これはどんなお薬ですか」と聞かれたときに、きちんと答えられるかな? と不安に思うことがあるので(苦笑)。若林さんは、「看護師がいてよかった」と感じた出来事はありますか。

若林:病棟担当の薬剤師は1人で病棟の全患者さんをみているので、どうしても気がつかない点が出てくることがあります。そういうとき、24時間患者さんのそばにいる看護師から気づいたことを知らせてもらえるのがありがたいですね。また、患者さんにとって、看護師は病院のなかで一番身近な存在というのもポイントだと思います。以前、医師や薬剤師には「薬を飲んでいる」と伝えていたのに、実際には飲むのを中断してしまっていた患者さんがいたのですが、そのとき、看護師が薬を飲むのをやめた原因を上手に聞き出してくれて、患者さんに合った治療方法をチームとして考え直すことができたこともあります。

秋山:なるほど、やはり職種ごとに欠かせない役割があるのですね。それでは、若林さんが未来の看護師に期待することはありますか。

若林:今お話しした例のように、医療には「看護師にしかできない、看護師だからこそできること」があります。その特性を最大限に活かし、医師や薬剤師などと協力して、患者さんを支えていくことを期待しています。

学生のうちに“将来”意見を言い合える仲間を

秋山:若林さんは学生時代、勉強以外で「やっておいてよかった」と思うことはありますか。

若林:部活やアルバイトなどで、たくさんの人と交流したことですね。さまざまな話をして、自分の考えが広がっていくことが心地よかったです。また、他職種の人と出会っておけば、将来、いろいろな意見が言い合える仲間にもなります。働き始めると、看護職以外の友人をつくることが難しくなってくると思うので、学生のうちがチャンスではないでしょうか。

秋山:医療関係に限らず、たくさんの人と出会っておけば、人としての幅も広がりそうですね。今、出会う人たちが、将来意見を言い合える仲間になるというのもステキです! 最後に、看護学生にメッセージをお願いします。

若林:学生のうちに、課外活動をたくさんして友達をつくってください。狭い世界にとどまるのは、本当にもったいないことです。そして看護師になったら、ぜひ、病棟で薬剤師を頼りにしてほしいですね。病棟に1人しかいないことが多いので、かなりレアな存在ではありますが、きっとみなさんの力になれると思います。

秋山::私も実習でお会いしたら、ぜひ、声をかけたいです。本日はありがとうございました!

看護に期待すること まとめ

 
 


※本記事は、弊社発行の無料情報誌『INFORMA 2016-2017秋冬版』から転載・引用しています。

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