「学校の授業で学んだ知識って実際に看護師になった後どう活かせるの?」「先生や先輩が座学で学んだことが看護実習でも必要になるって言っているけれど具体的には?」と疑問に思うことはありませんか?臨床の場では実際にどのような知識が必要なのか、なかなか想像がつきませんよね。 そこで、2020年度、実習に参加した学生さんたちに、実習でどんな知識が必要だと思ったか、また実習前にどんな勉強をしたかを聞いてきました!これから実習がある方にぜひ読んでいただきたい体験談です!
実習で指導者から「触診、打診、聴診を行う場合の根拠はなにか?根拠があれば受け持ち患者さんにやってもいいよ!」と言われましたが、とっさに聞かれると詳しく根拠を説明しようと思ってもざっくりとしたことしか言うことができませんでした。准看護学科2年含め4年目なのに根拠が頭に入っていなかったと思うと、不甲斐ない気持ちでいっぱいになりました。 「看護技術ひとつひとつに科学的な根拠があり、それに基づいて行うべきだということを頭に叩き込まなければいけない」このことを改めて思い知った実習でした。 受け持った患者さんの病態生理を考えると「あれも調べないと」「この情報もきっと必要だ」とどんどん枝分かれして無数に関連していきます。既往歴や今までの生活などの情報を結びつけるとそれらが繋がり、”わかる楽しさ”を見出すことができました。それと同時に、知識量の不足が浮き彫りになりました。 コロナ禍で限られた実習に就職活動、ケーススタディ、国試の勉強と、やるべきことがありすぎて押しつぶされそうになった2ヶ月間でしたが、7月になってもまだ終わりが見えません。病院・学内での実習スタイルに慣れてきて、気持ちに少し余裕を持つことができるようになってきたので、更に知識量を増やすことを目標に気を引き締めて頑張りたいです。
8月中旬に回復期リハビリ病棟へ基礎看護実習に行きました。実際に病院に行って、1人ずつ患者さんを受け持つことはできたものの、患者さんと関われるのは1日2回15分ずつで、援助は全て見学のみでした。 患者さんと接する時間が短い分、カルテからできるだけ情報を収集して、それでもわからない情報を患者さんとの限られた関わりのなかで得るようにしました。短い時間のなかでどれだけ情報を集めて、患者さんとの関係を深められるか。このことを考えながらコミュニケーションをとるのは難しかったですが、だからこそたくさん考え、工夫することができました。 また、私は循環器疾患がある患者さんを受け持ったのですが、まだ学校で循環器の授業を受けていなかったため、疾患の根本的なところから学ぶことが大変でした。そのなかで解剖生理が基礎であること、またバイタルサインやフィジカルアセスメントも解剖がわからないと、何を見ればよいのかがわからないということを、身をもって知りました。こんな状況でも実際に実習に行かせていただけたことに感謝しています。
これまで経験した実習では、会話のなかで情報収集を行い、患者さんのことを知り、そしてそれらをケアに繋げていくことの重要性を学習しました。しかし、今回の統合実習で受け持った患者さんは、重症心身障害児。会話という手段をとることができなかったため、今までとは異なり非言語的コミュニケーションからその人を知り、情報を集める必要がありました。 はじめはわずかな反応はあるものの話しかけてもそれが何の反応なのかがわからず、対象者を捉えることの難しさを痛感しました。しかし、その患者さんと関わっていくうちに、少しずつ笑顔が見られたり、手を伸ばすような行動が見られたりと、関係性を築くことができたのです。この経験から、私は非言語的コミュニケーションの大切さを学びました。この非言語的コミュニケーションは、会話できる場合でも活かすべきものだと思い、今後看護師として働く際にもこういったコミュニケーションを大切にしていきたいです。 また、受け持った患者さんは身体機能の遅れもあったため、リハビリテーションだけでなく看護師も付き添いながら患者さんが歩行器を使って散歩をする時間を設けるようにしており、私は日常生活の中でもこのような訓練を取り入れることの大切さを学びました。
5月末、自粛期間明けすぐの実習で急性期病棟にて直腸がんの患者さんを受け持ったときのことです。その実習は初日にオペがあったため術後看護から始まりました。 自粛期間中は当然学校が開いていなかったため、実習前の技術練習などを行うことができませんでした。そこで私は患者さんのバイタルサインの異常の早期発見・早期対応はしっかりと行えるようにしておきたいと考え、実習前の復習として『看護がみえるvol. 3フィジカルアセスメント』を活用し、イメージトレーニングをしました。模型など使用しての練習はできなかったため、患者さんのバイタルサイン測定を行った際、久しぶりのことに少し戸惑いがありましたが、それでもきちんと正確に測り観察することができました。 特に術後の患者さんの場合、バイタルサイン測定は早期合併症の発見や対応にとても重要です。患者さんの状態の変化に気づくことができたときは自信に繋がりました。またバイタルサインをスムーズに正確に、特に術後疼痛があるためできるだけ苦痛を与えないよう行うことが大切だと改めて実感しました。
いかがでしたか? 根拠や解剖生理、非言語的コミュニケーションといった学校で学ぶ事柄がどう臨床の場に活きてくるのか垣間見えたでしょうか?いま学んでいることが臨床現場でも役立つのだと考えるとワクワクしてきますね。 また、手技のイメージトレーニングをしておいたことが成功体験に繋がった学生さんも……。今回の記事を参考に実習の心構えや準備をしていただけたらと思います!
【実習体験談】コロナ禍の実習がどうだったか聞いてみました!
第1版 B5判 384頁 定価(本体3,300円+税) ISBN 978-4-89632-781-6 発行日 2019-12-17
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