「きょうどう問題」と聞くと、「共同問題」を思いうかべる人も多いのではないでしょうか。 共同問題とは、疾患、治療、検査などによって生じる特定の生理的合併症のことで、リンダ・J. カルペニートが提唱した概念です。例としては「深部静脈血栓症の合併症リスク状態」や「麻痺性イレウスの合併症リスク状態」などがあります。カルペニートは、看護師が看護診断と共同問題という2つの臨床判断に責任をもつという「二重焦点臨床モデル」を1983 年に発表しました。 共同問題を明らかにしたとき、看護師は合併症の出現を最小限にするために、共同問題を管理する役割を担います。例えば、医師とともに介入することで合併症を予防したり、患者さんの状態をモニタリングして合併症を早期発見し、重症化予防につなげたりします。看護師は共同問題を独自に予防・治療することはできませんが、ベッドサイドにいる時間は医師よりも長く、患者さんの変化に気づく機会が豊富です。医師だけでも看護師だけでも共同問題を予防・治療することはできず、共同での介入が必要なのです。 一方で協働問題については、ロザリンダ・アルファロ- ルフィーヴァが著書「基本から学ぶ看護過程と看護診断 第7 版」で言及しています。アルファロは、アセスメントによって特定された健康問題のうち、複数の職種による治療が必要な問題は「多職種による協働が必要な問題」であると述べています。これが書籍『看護がみえるvol.4 看護過程の展開』の中で協働問題として示しているもので、共同問題は協働問題の中に含まれる関係になります。
(『看護がみえるvol.4 看護過程の展開』p.112より一部改変して掲載)
第1版 B5判 380頁 定価(本体3,300円+税) ISBN 978-4-89632-801-1 発行日 2020-06-30
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