患者さんから情報を集めることはできても、そこから何をアセスメントしたらいいの?どんな結論にすればいいの?と迷ってしまうことはないでしょうか。
そんなときに役立つのが「アセスメントの視点」です。あなたの学校で使っているアセスメントの枠組みがゴードンの11の機能的健康パターンや、ヘンダーソンの看護論ならば書籍『看護がみえるvol.4 看護過程の展開』(ゴードンp.57、ヘンダーソンp.50)を見てみましょう。そこに「アセスメントの視点」が書かれています。それぞれの視点に対して、みなさんは「答える」気持ちでアセスメントすれば、おのずとアセスメントの方向性が定まります。
具体的にみていきましょう。 例えば、健康知覚- 健康管理パターンのアセスメントの視点には「健康知覚(健康についての考え方)は適切か」と「健康管理は適切か」の大きく2つの視点があります(下図の濃い黄色/黄緑色の部分)。このパターンをアセスメントするとき、目の前の患者さんについて、この2つの質問にあなたは答えればよいのです。
もう少し具体的な視点が欲しい場合は、前者を「これまでの健康に関する認識は適切か」「現在の健康に関する認識は適切か」、後者を「健康管理状況は適切か」「安全対策は適切か」に変えて4つの視点を使って答えてみましょう(上図のうすい黄色/黄緑色の部分)。アセスメントにまだ慣れないときに、やみくもにアセスメントしようとすると、必要なデータが収集できていても、的外れなアセスメントになりかねません。
まずは各機能的健康パターンをアセスメントしていく際に、1つずつアセスメントの視点に基づいてデータ収集を行い、その視点に答えるように、患者さんの反応(人間の反応)が適切かどうかを解釈してみましょう。そして患者さんがその反応になった原因、誘因・強み・なりゆきを分析し、最終的には看護問題を明確化します。アセスメントの視点が身につくように、この視点を意識しながら解釈するのが、アセスメントができるようになる近道かもしれません。
(『看護がみえるvol.4 看護過程の展開』p.196より一部改変して掲載)
第1版 B5判 380頁 定価(本体3,300円+税) ISBN 978-4-89632-801-1 発行日 2020-06-30
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