患者さんの病状観察の記録は、日々の患者さんの全身状態や、症状の有無や程度を観察したことなどを書きます。
患者さんの病状観察の記録を書く際に、SOAPぞれぞれの項目に書くことは次の通りです。
この記録では「患者さんの病状」をアセスメントします。 このアセスメントでは、患者さんの健康状態の維持・回復・悪化が焦点となります。そのため、医師の判断、つまり病気の診断や、治療や処置の判断は書きません。例えば「肺炎は改善した」「腹腔内に炎症がみられる」といった内容を看護記録には書いてはいけません。 患者さんの病状が良くなっているのか、悪くなっているのかということに焦点をあててアセスメントするように心がけましょう。
この記録の良い例を見てみましょう。
医師の指示に基づく処置・投薬の記録は、医師の指示に基づいて行った医療処置について書きます。例えば、鎮痛剤の点滴を行った記録などです。
医師の指示に基づく処置・投薬の記録を書く際に、SOAPぞれぞれの項目に書くことは次の通りです。
この記録では「処置や投薬などの適切性」をアセスメントします。 ここでの処置や投薬とは、医師の指示に基づいて実施されるため、その指示自体が適切かどうかを判断するのではなく、看護師が行った行為が適切だったのかどうかをアセスメントします。
③患者さんの病状観察の記録も、④医師の指示に基づく処置・投薬の記録も、SデータとOデータには、それぞれのアセスメントしたい内容以外のデータは書かない!というのは共通しています。これは、これまで紹介した①看護計画に基づく介入の記録・②看護計画に基づかないケアの記録とも同様ですね。
今回は、経過記録を4つの内容に分けて書き方を解説しましたが、やはり大事なのは「アセスメント」。4つの記録とも、それぞれアセスメント対象が異なりましたね。 「何を」アセスメントしているのかをきちんと理解していれば、何をかかなければいけないか自ずと分かってくると思います。ぜひ今回の解説を、SOAPで記録を書く際の参考にしてみてください!
第1版 B5判 380頁 定価(本体3,300円+税) ISBN 978-4-89632-801-1 発行日 2020-06-30
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