今回は、埼玉県の戸田中央看護専門学校で約10年間国家試験を担当されている細田 梓先生にインタビューを行いました。同校は約120名と大所帯でありながら、先生方の強固なバックアップによって109回国家試験では合格率100%を達成しました。新型コロナウイルスの影響でどのような変化があったのか、またどのように国試対策を進めているのかを伺いました。
例年、当校の国試対策は4月から行っていますが、今年の場合は新型コロナウイルス感染拡大による不測の事態に備えて例年よりも早めに準備をしていたということもあり、課題というかたちですが春休みからスタートできていました。この課題は国試頻出疾患の病態に関する調べ学習で、その後自宅課題として国家試験の問題300問を課したため、結果的にインプットからアウトプットの流れができスムーズに学習できたようです。 ただ当然、緊急事態宣言が発令されていた間は休校だったので、学生たちの学習がどのくらい進んでいるのか、どのような精神状態なのかなど不透明な部分が多いことが悩みの種でした。特に2年次のさいごに成績下位で要注意としていた学生に対しては、直接フォローできないことに危機感があったため、担任が電話などで進捗を確認したりしていました。 そういったフォローを受けて自宅学習の時間を有効に使い、ぐんぐん成績を上げた学生もいます。逆にノーマークだった学生が、自宅学習が継続するうちモチベーションが保てず成績が落ち込んでしまったケースもあり、学生によって状況が変則的に動いているという印象を受けました。
当校では連携する戸田中央総合病院で多くの学生が実習させてもらっていますが、カリキュラム変更に伴い、特に2・3年生のスケジュールに大きな変更が生じました。また、今年は患者さんへのケアで十分に介入できないことが多く、学生から「臨床で必要な技術が身に付いていないのではないか」と不安の声が上がるようになりました。今年はそういった面に配慮し、学生が自己肯定感をもてるようできていることをしっかり認め、ほめることを意識しました。
基本的に今年も、例年と同様の国試対策を進めていく予定です。 今後はまず、10月に実施する模試の成績順に4つのクラスを編成することから始めます。各クラスで実施する国試対策の内容は基本的に同じで、まず合格ラインを定めたオリジナル試験を受験し、クラス全員が合格を目指します。そこで一人でも不合格になったら、全員に自学習を課し理解不足の箇所をインプットし直してもらいます。時間を空けて内容を少しだけ改変した問題を再度出し、不合格者がいればまたインプット…というサイクルを、クラス全員が合格するまで繰り返すのです。もちろん上位のクラスから全員合格を成し遂げていきますが、下位のクラスにもグループダイナミクスが働き、学生同士で連携することで全員の理解度が上がっていくのが目に見えるようになります。そして、最終的にはしっかり全員が合格できるようになるのです。 国試対策に本腰を入れる11月頃には保護者会を行い、これで成績が上がってこない学生に対してはご家庭でもフォローいただけるよう親御さんにも協力を仰ぎます。「ここからは容赦なくやっていきますのでご協力をお願いします」とお伝えしてしまうのです。特に要注意学生の親御さんには個別でも面談し、生活リズムの是正や声かけのポイントなど、さらに具体的にお伝えします。 昼間は教員として学生と接し、夜間や週末は親御さんに対応するため、これから先は忙しくなっていく一方ですが、国家試験でのよい結果を願い、学生・教員・家族の総力戦で取り組んでいけるよう、しっかりとフォローしていきたいと思っています。
「今年も100%を掲げられるよう奮闘中です!」
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