*国試によくでるレビューブックコードTOP10*シリーズ
今回ご紹介するのは、TOP5の糖尿病です。 患者数が300万人を超えており、高血圧性疾患に次いで多い生活習慣病です。 悪化すると網膜症・腎症・神経障害などの合併症を伴い、QOLが著しく低下してしまうことでも知られています。 病態、起こりうる合併症、治療法、看護的な観点まで、糖尿病に関する知識を包括的におさえておきましょう。
□① 糖尿病は、インスリンの作用不足によって引き起こされる、糖質代謝を主とする種々の代謝異常を起こす疾患である。
□② 膵臓のβ細胞障害による高度のインスリン分泌障害が成因となる1型糖尿病と、インスリンの作用不足が成因となる2型糖尿病に大別される。インスリンの作用不足は、インスリン分泌低下とインスリン抵抗性増加によって起こる。
□③ インスリン抵抗性とは、肝臓、筋、脂肪細胞におけるインスリン感受性が低下し、インスリンが効きにくくなった状態である。インスリン抵抗性が生じる原因のひとつとして、内臓脂肪蓄積(過食や運動不足などの生活習慣が主な原因)がある。
□④ 高血糖症状として口渇、多飲、多尿、全身倦怠感、異化作用亢進により体重減少が生じる。
□⑤ 糖尿病を診断するうえでは、血糖値とHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の2つを検査し、糖尿病型かどうかを判断する。
□⑥ HbA1cとは、血中ヘモグロビンのうち、糖と結合したヘモグロビンの割合を示す値である。変動しやすい血糖値と違い、過去1~2か月の血糖値を反映するため、糖尿病の診断に用いられる(基準値:4.6~6.2%)。
〔食事療法〕 (病みえ代42) □⑦ 標準体重と身体活動量より、摂取エネルギー量を算出する。身体活動量からみた標準体重1kgあたりの摂取エネルギーは、以下のようである。
□⑧ 血糖の日内変化が著しくならないように、糖質摂取の量や時間的配分が重要である。
〔薬物療法〕 (病みえ代43~59) □⑨ 1型糖尿病は体内でのインスリン分泌不足が原因であるため、インスリン療法の絶対的適応である。
□⑩ インスリン製剤は、分量を単位(U)で表す。
□⑪ インスリンの持続投与時や治療経過中に起こることがある低血糖、低カリウム血症に注意する。
【看護】 □⑫ 治療や合併症に対する不安を取り除き、治療に対する動機づけを行い、目標を設定していく。また、治療を怠った際の危険性を脅かすことなく説明し、糖尿病治療に対して前向きに取り組むよう指導する。
□⑬ 薬物療法中の糖尿病患者では、冷汗、動悸などの低血糖に特有の症状が認識できるように説明し、対処(単糖類の摂取)できるように指導する。
□⑭ 糖尿病患者は易感染状態であるため、手術の際は、術後の創感染などへの感染症対策が重要である。
□⑮ また、手術侵襲により術後高血糖となるため、より厳密な血糖管理が必要とされる。
□⑯ インスリン療法を行う患者への援助として、血糖自己測定、自己注射の方法、インスリン療法の目的、薬剤効果などの説明を十分に行う。
□⑰ インスリン注射は清潔操作を厳守し、食事の30分前(速効型)あるいは食直前(超速効型)などに皮下に行う。
□⑱ 万が一インスリン注射を忘れて食事をとり始めた場合、食事を中断してインスリンを注射する。
□⑲ インスリンの同一部位への注射は、脂肪組織萎縮や硬結などを起こすおそれがあるため、繰り返さないようにする。インスリンの吸収のよい腹壁、上腕、殿部、大腿部に約2cm間隔で毎回位置を変える。
□⑳ インスリンは皮下注射とし、吸収速度を速めるようなこと(温める、もむなど)をしないように指導する。 レビューブックの付録『コレダケ』で得点力をアップしましょう!
●糖尿病患者に対する看護について様々な側面から問われている(5問)。必修での出題が4問あり、そのうち2問は糖尿病の診断指標についての問題である。
他の国試分析については、『クエスチョン・バンク2017』を見てみましょう!
糖尿病型の診断を受けた患者で、同時に存在すれば糖尿病と考えられるのはどれか。2つ選べ。 1.HbA1c値 7.5% 2.糖尿(+) 3.空腹時血糖 140mg/dL 4.BMI26 5.75gOGTT 2時間値 180mg/dL
詳しい解説や基本事項などの知識は『クエスチョン・バンク2017』でチェックしよう!!
Aさん(54歳、女性)は、10年前に2型糖尿病と診断され、外来受診を続けていた。今回血糖コントロールが不良となり、精密検査とインスリン治療を検討するために入院した。身長154cm、体重45kg、HbA1c 9.0%。早朝空腹時血糖値178mg/dL、食事摂取の指示エネルギー量は1,400kcal/日である。
〔94〕 入院初日。Aさんは看護師に「10年間頑張っていたつもりだったけど、やっぱり食べ過ぎていたのね」と話す。 看護師の対応で最も適切なのはどれか。 1.「もう少し頑張れるとよかったですね」 2.「食品交換表の使い方を勉強しましょう」 3.「食べ過ぎていたかどうか一緒に確かめてみませんか」 4.「退院後はインスリンを使わなくてすむよう頑張りましょう」
〔95〕 入院後5日。超速効型インスリンの自己注射が開始された。開始7日、Aさんがインスリン注射を忘れて、昼食を食べ始めていたところを看護師が発見した。 看護師の対応で最も適切なのはどれか。 1.食事を中断して血糖値を測定する。 2.食事を中断してインスリン注射をする。 3.インスリン注射の必要性を再度詳しく説明する。 4.今後は看護師が食前に注射をするよう声をかけると説明する。
〔96〕 入院後2週、Aさんは血糖コントロールが改善してきたため、退院予定となった。退院後も毎食前に超速効型インスリンを使用する予定である。Aさんが「家で低血糖にならないか心配」と話したので、退院前に外泊を行って血糖値の変化を確認することにした。 外泊中の家での生活、血糖値および摂取エネルギーを表に示す。
Aさんの低血糖予防として適切なのはどれか。 1.朝食前に飴あめをなめる。 2.掃除を2日に1回とする。 3.午前11時ころに補食を摂る。 4.夕食前の買い物は自転車で行く。
詳しい解説や基本事項などの知識は『クエスチョン・バンク2017』でチェックしましょう。
次回はTOP 4「こころのケア」をご紹介します。
乞うご期待ください!
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