『看護がみえるvol.4 看護過程の展開(以下、看みえ④)』では、アセスメントを次のように細かな段階に分けて解説しています。
1.データ収集→p.70 2.「人間の反応」の理解→p.84 ①データから情報への変換→p.88 ②「人間の反応」の解釈→p.92 ③「人間の反応」の分析→p.95 ④「人間の反応」の判断→p.103 ⑤「人間の反応」の関連性の把握→p.104 ⑥看護問題を含む健康上の問題の把握→p.112
この順番は、初学者でも「人間の反応」をもれなく理解しやすいように設計されており、基本的にはこの順番に沿ってアセスメントをしていくことになります。
しかし、アセスメントを進めている最中に新たなデータを得たときや、新たな問題に気づいたときなど、前の段階に戻らなければならないこともしばしばあります。例えば、「人間の反応」の関連性の把握をしていて新たな問題がみえてきた場合、その問題について不足しているデータがあれば“データ収集”に戻り、“データから情報への変換”を行います。
特に初学者の場合、一度きりのデータ収集で必要なデータを全て集め、かつ正確な情報に変換するのは困難です。熟練した看護師も、患者さんと接する全ての場面でアセスメントを行い、絶えず情報をアップデートしています。重要なのは、一度に全てを把握することではなく、段階を行ったり来たりしながらアセスメントの正確性を高めていくことです。
データは正確か、正しくアセスメントができているかなど、常にクリティカルシンキングを行って確認し、必要ならば何度でも戻って修正しましょう。自分の思考や行動を意図的に振り返るリフレクションも有効です。
このように、前の段階に戻ったり、繰り返したりするという考えは、アセスメントだけでなく、看護過程全体の流れ(図1)に関しても同じことが言えます。 例えば、看護診断以降のステップに進んでからアセスメントに戻ったり、実施時の状況に応じて看護計画を修正したりするということです。必要に応じて前の段階に戻って修正することで、看護過程の正確性を高められるのです。
図1
●アセスメントで“「人間の反応」の判断”というステップは常に必要なのですか?
●データが正確かどうか確認する方法→p.78 ●クリティカルシンキングについて知りたい→p.19 ●リフレクションについて知りたい→p.20 ●看護過程の各段階を振り返って評価する際のポイント→p.164 ●実施時の状況に応じた看護計画の修正とは?(具体例あり)→p.152 読み込んでいます…
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