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Q.看護過程における「看護計画の立案」で行うことは何ですか?

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Q.看護過程における「看護計画の立案」で行うことは何ですか?
『看護がみえるvol.4 看護過程の展開』Q&A
2020.06.29

A.看護診断(看護問題)ごとに、目標・成果の達成に必要な看護介入を考えます。その内容をO-P、C-P、E-Pに分けて具体的に記述します。

「看護計画の立案」は、看護過程の6ステップのひとつで、「目標・成果・成果指標の設定」に続く段階です。その名の通り看護介入の計画を立てる段階ですが、「どんな計画を立てたらいいのかわからない」「計画に個別性がないと指導者さんに言われてしまう」などの悩みが多く聞かれます。しかし、アセスメントによって看護診断(看護問題)の要素をはっきりさせていれば、そこから個別性のある計画を導くことができます。

個別性のある看護計画を立案する方法

『看護がみえるvol.4 看護過程の展開(以下、看みえ④)』では、看護診断(看護問題)の要素と目標・成果に看護介入を対応させて、次のようなイラストで示しています。


図1 問題焦点型看護診断(実在型の看護問題)への介入(看みえ④p.140より)

 


図2 リスク型看護診断(リスク型の看護問題)への介入(看みえ④p.141より)

 


図3 ヘルスプロモーション型看護診断(ヘルスプロモーション型の看護問題)への介入(看みえ④p.142より)

 

ここで注目してほしいポイントは、看護計画は看護診断(看護問題)となる「人間の反応」、診断指標、関連因子(原因・誘因)、危険因子などの情報と明確につながっているということです。もちろん目標・成果も同じようにつながっています。

とりとめもなく考えていても個別的な計画は浮かびませんが、これらの要素ごとに考えると、個々の患者さんが必要とする介入がみえてきます。なぜなら、アセスメントで把握した情報こそが個別性を示すものであり、そこに紐づけられた介入も自然と個別的になるからです。アセスメントで明らかにした患者さんの「強み」を活用するという視点をもっていれば、さらに個別性を反映させることができます。

このように、個別性のある看護計画は、「アセスメント」「看護診断」「目標・成果・成果指標の設定」というステップで得た結果から導くことができるのです。

優先度が高いのは、原因への根治的な看護介入

看護介入には、いくつかの種類があります。図1~3では、「〇〇への介入」と書かれたピンクの矢印が看護介入を表しています。これらの介入は全て、看護診断(看護問題)の要素に対応しています。

詳細は看みえ④p.140~p.142で解説しており、この図だけで全てを理解する必要はありません。ここでは介入の種類による優先度の違いを簡単に解説します。

問題焦点型看護診断(実在型の看護問題)への介入には、関連因子(原因・誘因)を解決・軽減する「根治的な介入」と、診断指標(症状や徴候)を緩和する「対症的介入」があります。2つのうち優先されるのは、問題の解決に直結する「根治的な介入」です。

同じようにリスク型看護診断(リスク型の看護問題)でも、リスクの原因である危険因子への介入が優先されるので、「危険因子を解決・軽減する予防的な介入」を第一に考えます。

ヘルスプロモーション型看護診断(ヘルスプロモーション型看護問題)は、良い「人間の反応」なので原因を取り除く必要はなく、むしろ原因が強みとしての性質をもちます。意欲・願望を実際の行動につなげるための「支援的な介入」が中心となります。

看護計画の書き方

必要な介入を把握できたら、観察計画(O-P)、ケア計画(C-P)、教育計画(E-P)に分けて具体的に記述します。O-Pは、看護診断(看護問題)の要素がどのように変化しているか、患者さんが目標・成果の達成にどの程度近づいているかを確認するための計画です。C-PやE-Pの効果がわかるようにO-Pを対応させ、一貫性のある計画にしましょう。

看護計画は日々修正していくもの

看護計画は、一度立案したら終わりではなく、患者さんの変化に合わせて修正していく必要があります。患者さんの状態が変化したときや、新たな情報を得たとき、実施当日の状況によって計画通りにできないとき、もっと効果的な介入が見つかったときなど、様々な場面で修正を検討しましょう。

関連するQ&A

看護過程におけるアセスメントとは何ですか?
看護過程における「目標・成果・成果指標の設定」で行うことは何ですか?

『看護がみえるvol.4』参照ページ

●看護計画の立案の概要→p.138
●O-P、C-P、E-Pとは?→p.139
●看護診断を使わない場合の看護計画の立案はどうしたらいい?→p.139
●看護診断(看護問題)の要素と看護計画のつながりを詳しく知りたい→p.140~p.142
●計画立案で留意すべき7つのこと→p.143
●看護計画の立案の例(実在型、リスク型、ヘルスプロモーション型)→p.144~p.149

 
「Q&A一覧」へ戻る
 

看護がみえるvol.4 看護過程の展開

第1版 B5判 380頁
定価(本体3,300円+税)
ISBN 978-4-89632-801-1
発行日 2020-06-30

 

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Q.看護過程における「看護計画の立案」で行うことは何ですか?

『看護がみえるvol.4 看護過程の展開』Q&A
2020.06.29

A.看護診断(看護問題)ごとに、目標・成果の達成に必要な看護介入を考えます。その内容をO-P、C-P、E-Pに分けて具体的に記述します。

「看護計画の立案」は、看護過程の6ステップのひとつで、「目標・成果・成果指標の設定」に続く段階です。その名の通り看護介入の計画を立てる段階ですが、「どんな計画を立てたらいいのかわからない」「計画に個別性がないと指導者さんに言われてしまう」などの悩みが多く聞かれます。しかし、アセスメントによって看護診断(看護問題)の要素をはっきりさせていれば、そこから個別性のある計画を導くことができます。

個別性のある看護計画を立案する方法

『看護がみえるvol.4 看護過程の展開(以下、看みえ④)』では、看護診断(看護問題)の要素と目標・成果に看護介入を対応させて、次のようなイラストで示しています。


図1 問題焦点型看護診断(実在型の看護問題)への介入(看みえ④p.140より)

 


図2 リスク型看護診断(リスク型の看護問題)への介入(看みえ④p.141より)

 


図3 ヘルスプロモーション型看護診断(ヘルスプロモーション型の看護問題)への介入(看みえ④p.142より)

 

ここで注目してほしいポイントは、看護計画は看護診断(看護問題)となる「人間の反応」、診断指標、関連因子(原因・誘因)、危険因子などの情報と明確につながっているということです。もちろん目標・成果も同じようにつながっています。

とりとめもなく考えていても個別的な計画は浮かびませんが、これらの要素ごとに考えると、個々の患者さんが必要とする介入がみえてきます。なぜなら、アセスメントで把握した情報こそが個別性を示すものであり、そこに紐づけられた介入も自然と個別的になるからです。アセスメントで明らかにした患者さんの「強み」を活用するという視点をもっていれば、さらに個別性を反映させることができます。

このように、個別性のある看護計画は、「アセスメント」「看護診断」「目標・成果・成果指標の設定」というステップで得た結果から導くことができるのです。

優先度が高いのは、原因への根治的な看護介入

看護介入には、いくつかの種類があります。図1~3では、「〇〇への介入」と書かれたピンクの矢印が看護介入を表しています。これらの介入は全て、看護診断(看護問題)の要素に対応しています。

詳細は看みえ④p.140~p.142で解説しており、この図だけで全てを理解する必要はありません。ここでは介入の種類による優先度の違いを簡単に解説します。

問題焦点型看護診断(実在型の看護問題)への介入には、関連因子(原因・誘因)を解決・軽減する「根治的な介入」と、診断指標(症状や徴候)を緩和する「対症的介入」があります。2つのうち優先されるのは、問題の解決に直結する「根治的な介入」です。

同じようにリスク型看護診断(リスク型の看護問題)でも、リスクの原因である危険因子への介入が優先されるので、「危険因子を解決・軽減する予防的な介入」を第一に考えます。

ヘルスプロモーション型看護診断(ヘルスプロモーション型看護問題)は、良い「人間の反応」なので原因を取り除く必要はなく、むしろ原因が強みとしての性質をもちます。意欲・願望を実際の行動につなげるための「支援的な介入」が中心となります。

看護計画の書き方

必要な介入を把握できたら、観察計画(O-P)、ケア計画(C-P)、教育計画(E-P)に分けて具体的に記述します。O-Pは、看護診断(看護問題)の要素がどのように変化しているか、患者さんが目標・成果の達成にどの程度近づいているかを確認するための計画です。C-PやE-Pの効果がわかるようにO-Pを対応させ、一貫性のある計画にしましょう。

看護計画は日々修正していくもの

看護計画は、一度立案したら終わりではなく、患者さんの変化に合わせて修正していく必要があります。患者さんの状態が変化したときや、新たな情報を得たとき、実施当日の状況によって計画通りにできないとき、もっと効果的な介入が見つかったときなど、様々な場面で修正を検討しましょう。

関連するQ&A

看護過程におけるアセスメントとは何ですか?
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●看護計画の立案の概要→p.138
●O-P、C-P、E-Pとは?→p.139
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●看護診断(看護問題)の要素と看護計画のつながりを詳しく知りたい→p.140~p.142
●計画立案で留意すべき7つのこと→p.143
●看護計画の立案の例(実在型、リスク型、ヘルスプロモーション型)→p.144~p.149

 
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看護がみえるvol.4 看護過程の展開

第1版 B5判 380頁
定価(本体3,300円+税)
ISBN 978-4-89632-801-1
発行日 2020-06-30

 

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