「アレルギー」と聞くと食物アレルギーや花粉症をイメージする方が多いのではないでしょうか? アレルギーは鼻炎症状からアナフィラキシーショックまで,重症度の異なる様々な反応が出現するため,病態や対応など覚えることが多くあります.
看護師国家試験では、アレルギー反応の種類による特徴や原因,症状について問われており,状況設定問題ではアレルギーをもつ子どもの家族への対応について出題されています. 実際に過去の看護師国家試験で出題された問題を解き,確認しましょう!
1. 問題① 2. 問題② 3. 問題③ 4. 問題④
正解は① この問題のポイントは「着用した直後」.直後に出現したということはアナフィラキシー型(即時型)アレルギーすなわちⅠ型アレルギーということ. 選択肢4のⅣ型アレルギーの代表疾患にはアレルギー性接触皮膚炎があるため,着用=接触と考えた看護学生さんもいるかもしれません.Ⅳ型アレルギーは症状出現まで24~48時間かかるT細胞依存型(遅延型)アレルギーであるため本設問では該当しません.
正解は① ハチに2度刺されるとアナフィラキシーを起こす,と聞いたことがあると思います.本設問の状況で起こり得るのは,ハチ毒に対する特異的IgE抗体を介したアナフィラキシーショックです. IgE,アナフィラキシーとくればアナフィラキシー型(即時型)アレルギーすなわちⅠ型アレルギーの選択肢1を導き出せるはず!
正解は④ ショック状態に陥る原因は複数ありますが「アレルギー反応で引き起こされるショック」といえば,アナフィラキシーショックです. 他の心原性ショック,出血性ショック,神経原性ショックの病態生理も確認しておきましょう!
正解は②と③ Ⅰ型アレルギーでは,マスト細胞や好塩基球の細胞表面にあるIgEとアレルゲン(抗原)が結合するとケミカルメディエーター(ヒスタミンなど)が放出されます.このヒスタミンなどにより,平滑筋収縮や血管透過性亢進などが生じます. その結果,気道収縮や炎症反応,浮腫,気道内分泌物の増加などの症状が出現し,まれに血圧低下,呼吸困難,意識障害を伴うアナフィラキシーショックとなり重篤化することがあります.
またアナフィラキシーショックの治療ではアドレナリンが第一選択薬ですが,これらのメカニズムを踏まえると抗ヒスタミン薬やβ₂刺激薬,副腎皮質ステロイドも治療に使用されることが分かりますね.Ⅰ型アレルギーの代表的疾患である気管支喘息やアレルギー性鼻炎で使用する薬剤からも導き出せます.アナフィラキシーショックの治療における,それぞれの薬剤の作用機序を復習しておくようにしましょう!
本記事では主にアレルギー反応のⅠ型アレルギーについて問われている問題を集めました.看護師国家試験ではⅠ型アレルギー以外のⅡ~Ⅳ型アレルギーについても問われています.また,状況設定問題では,アレルギーに対する具体的な対応方法や指導内容について問われています.
RBでは各アレルギー反応の一覧表に加え,メカニズムも詳しく説明! また,QBでは本記事に掲載されていない過去問を解くことができ,解説も充実! 看護師国家試験の出題範囲は幅広いため,早めに過去問を解いて対策しておきましょう!
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