今回の特集「産褥の経過」

＊国試によくでるレビューブックコードTOP10＊シリーズ

今回ご紹介するのは、同率第5位の産褥の経過です。『レビューブック2019』では母性看護学の66ページに記載しています！

産褥の経過

□①　産褥とは，分娩後，母体の状態が妊娠以前の状態に戻るまでの期間をいい，産後6～8週間までである．

□②　子宮底の高さは，分娩直後には臍下2～3横指であるが，分娩12時間後には臍高に達し，以後2～3日で分娩直後と同じ高さとなる．

□③　子宮復古を促すための不規則な子宮収縮を後陣痛といい，産褥2～3日までにみられる．

□④　子宮の大きさは，産褥6週頃に非妊娠時の大きさである鶏卵大となる．

□⑤　悪露は主に子宮腔内や産道から排出される分泌物であり，産褥1～3日では赤色悪露，産褥3日以降から1～2週では褐色悪露，それ以降は3～6週までに黄色悪露から白色悪露へと移行する．

□⑥　産褥初期（分娩後1週間以内）では，徐脈，尿量増加，体重減少などがみられる．

□⑦　分娩後数日間は，疲労感と不安感が強い時期である．まず身体の疲労回復を促して，母親が育児に意欲をもてるように支援する．

□⑧　産褥期に会陰切開部の疼痛がみられても，発熱や創部の感染などの異常がなければ，正常な創傷治癒過程であると考えられる．

□⑨　褥婦は便秘になりやすいため，腹部マッサージを行い，繊維性の食物や水分を多く摂るよう勧める．便秘は子宮復古を妨げる原因ともなる．産褥3～4日経過しても排便がみられない場合には，浣腸や緩下藥（ルビ：かんげやく）を試みる．

□⑩　残尿による尿路感染の予防と，子宮収縮を促進するため，3～4時間ごとの排尿を促す．

□⑪　自力での排尿が困難な場合には，導尿を行う．

□⑫　記憶が新しいうちに分娩体験の振り返りを行うことをバースレビューという．自己概念の再構築，母親役割の獲得につながる．

●ほとんどが状況設定問題としての出題であるため配点が高い項目である。
産褥期の全身状態の正常・異常の区別(15問中3問)，子宮復古を促す具体的なケア(15 問中3 問)，産褥1日目の看護(15 問中4 問)，産褥期の排尿困難に対するケア(15問中3問)などが出題されている．
他の国試分析については、『クエスチョン・バンク2019』を確認しましょう！

第１問（第101回午前90）

正常分娩した産褥2日の褥婦の状態で，順調な経過であると判断できるのはどれか．2 つ選べ．
１．後陣痛がある．
２．乳房の緊満感がある．
３．体温が37.6℃である．
４．悪露に凝血塊が混じる．
５．妊娠中と比べ1 日の尿量が減少する．

 
詳しい解説や基本事項などの知識は『クエスチョン・バンク2019』（QB-母34）でチェックしましょう！！

第２問（第99回午後87）

28歳の初産婦．妊娠39 週0 日，午後8時15分に正常分娩した．分娩所要時間は12 時間15 分であった．
産褥1 日における母親役割の獲得への援助で適切なのはどれか．2 つ選べ．
１．身体の疲労回復を促す．
２．分娩の振り返りを行う．
３．児の沐浴について指導する．
４．母乳不足の見分け方について説明する．
５．育児分担について夫と話し合うことを促す．

詳しい解説や基本事項などの知識は『クエスチョン・バンク2019』（QB-母35）でチェックしましょう！

次回予告！！

次回は同率第5位の「褥瘡」をご紹介します。

乞うご期待ください！