こんにちは、メディックメディア編集部です。 このコーナーは、メディックメディア編集部に寄せられる読者の皆さんの質問をもとに 勘違いしやすい看護の知識をご紹介していきます。
「看護師国試の過去問で、定期予防接種の対象疾患を2つ選ぶ問題の正答が結核と風疹でしたが、『レビューブック』ではバツ選択肢の水痘、B型肝炎も定期予防接種と記載されています。『レビューブック』の内容は間違っていませんか?」というお問い合わせをいただきました。
これは、厚生労働省が公表している2014年に行われた第103回看護師国家試験の問題をご覧になったのですね。
この出題は、2019年9月現在、問題として成立していません。なぜなら、『予防接種法』に基づく定期予防接種は、この問題が出題された2014年2月以降に変更があり、結核、風疹だけでなく、水痘、B型肝炎も定期予防接種の対象疾病となったからです。定期予防接種の対象疾病は、時代に応じて変化していくので、過去問を解く際には注意が必要です。『レビューブック(看護師・看護学生のためのレビューブック)』は、常に最新情報に更新しています。また、『レビューブック』と完全対応の弊社書籍『クエスチョン・バンク看護師国家試験問題解説』では、最新の情報と問題を照合した結果、問題として成立していないものは掲載せず、最新の知見に合った問題や、改変した問題のみを掲載しています。
現時点の定期予防接種と任意予防接種について確認しておきましょう。
予防接種に関しては、何らかの形で毎年必ず出題されています。 過去99〜108回の看護師国家試験をみても、A類疾病を問う問題は3題、予防接種の対象疾患に関連する問題は実に15題も出題されています。
ここで、定期予防接種について問われた看護師国家試験第105回午後77番の問題を見てみましょう。
【問題】 乳児の髄膜炎などを抑制するため,平成25年(2013年)に定期接種に導入されたのはどれか. 1.日本脳炎ワクチン 2.ロタウイルスワクチン 3.インフルエンザワクチン 4.麻しん風しん混合ワクチン 5.Hib(Haemophilus influenzae type b)ワクチン
正解は、5.Hibワクチンです。乳児の髄膜炎の二大起炎菌は、Hib(インフルエンザ菌b型)と肺炎球菌です。このふたつは2013年に定期予防接種に導入されました。
このほか、最近注目されるトピックとしては、麻疹・風疹の流行があります。それぞれの感染経路や症状、予防接種の方法などの疾患知識を復習しておきましょう。
定期予防接種を問う国試は頻出であることはわかりましたが、A類疾病を全てを覚えるのは大変ですよね…。そこで、オススメのゴロをご紹介します。
「日本の富士は百万歩で行け。水筒にパピコはブー」 ↓ 日本の(日本脳炎)富(風疹)士(ジフテリア)は(破傷風) 百(百日咳)万(麻疹)歩で(ポリオ)行(インフルエンザ菌b型=Hib)け(結核) 水筒 に(水痘)パピコ(ヒトパピローマウイルス)は(肺炎球菌)ブー(B型肝炎) A類疾病が覚えられない…!という方は、ぜひこちらのゴロで覚えてみてください。
いかがでしたか?
日本の定期予防接種は、ワクチンの開発や感染の流行などを受け、変わっていきます。過去問を解く時には、常に最新の動向を確認して、正しい情報を覚えるようにしましょう!
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