『看護がみえる』シリーズをご採用いただいている学校の先生方に、授業の進め方や『看護がみえる』のご活用法などについてインタビューしてきました。こちらの記事では東京純心大学の先生のインタビューをご紹介しています。 →杏林大学の先生方のインタビュー記事はこちら →川口市立看護専門学校の先生方のインタビュー記事はこちら
東京純心大学 看護学部看護学科 ●講師 樋口美樹先生
樋口先生:技術演習とフィジカルアセスメントの授業で使っています。私が当校に赴任した2年半前よりも前から『看みえ』を採用していましたので、随分長く使っているのではないでしょうか。
樋口先生:写真とイラストが多くてとにかくわかりやすいこと、また根拠がしっかり押さえられていることが良いと常に感心しています。あと『看みえ』に載っている手順は臨床に即しているなとも。看護技術はあまり変わらないもののように感じますが、現場では変化している部分もあります。そこに対応している『看みえ』は学生たちにとって臨床現場でも役立ちますし、私たち教員にとっても使いやすいですね。
樋口先生:『看みえ』は特にイメージづくりに最適なので、事前学習でも使っていますし、もちろん講義や演習でも使っています。 ▲樋口美樹先生▲
樋口先生:事前学習はいくつかあります。毎回やってきてもらうことは授業に関連した内容について『看みえ』などのテキストの指定したページを読んでくることと、看護師国家試験を参考に作った問題にGoogleフォームで回答してもらうことです。 また、授業時間が限られているので、授業では取り上げられない手技を自分でやってくるように課題を出すこともありますね。例えば次回の授業で全身清拭をやるけれど「顔の清拭」まではできない場合、〈『看みえ』の手順を見て自分の顔を拭く、もしくは、ご家族と同居していれば顔を拭かせてもらう〉といった課題を出します。
樋口先生:当校では、複数の教員が看護技術やフィジカルアセスメントの授業を担当しているので、教員や内容によって進め方はさまざまです。 私は、作ってきたプリントをベースに授業を進めることが多いですね。昨年までは括弧を設けて穴埋め形式にしていましたが、今年度はオンライン授業で括弧を埋められていない学生へのフォローが難しかったため、あらかじめ埋めてしまうことにしました。それで、授業では括弧に該当する内容が『看みえ』などのテキストのどのページに書かれているかを伝えたり、実際に見せたりするようにしていました。
樋口先生:イラストや写真を見せたいときが多いですね。例えば入浴について講義するとき、学生は「入浴の作用」と言われてもなかなか「静水圧」や「浮力」がピンとこない。そういうときに『看みえ』のイラストを見てもらうようにしています。 ▲『看護がみえるvol.1基礎看護技術』p.143「入浴の作用」より また手技としてかけ湯について説明しても、学生はなかなかイメージが湧きません。実際に演習で学生の手技を見ていても、お湯をほんの少しかけるだけということがよくあるんですよ。だから『看みえ』の写真やイラストを見せて指導していました。 それ以外にも、『看みえ』の〈なぜなら〉を示して「ここに根拠が書かれていますよ」「これを参考にしてください」と声をかけたり、解剖生理のイラストを見てもらったりすることもあります。『看みえ』に載っている解剖生理のイラストはわかりやすいので、よく学生は参考にしていますね。そういえば、事前学習として『看みえ2』のp.9の「穿刺部位」のイラストを参考に、血管や神経を含めて腕の絵を描いてきた学生がいました。 ▲『看護がみえるvol.2臨床看護技術』p.9「穿刺部位」より
樋口先生:以前はデモンストレーションをすることもありましたが、最近はよい教材がたくさんありますからね。今年度は、前もって動画教材を見てきて演習に臨んでもらうようにしています。ちなみに市販の動画教材ではわかりにくい部分は私たち教員が動画を作っているんですよ。教員がやっている手技を撮影して、スローにしたり、ナレーションをつけたり……。それを学生に見てもらいます。
樋口先生:手技をやっているとき、学生は自分の目の前のことしか見えていないので、たとえ書籍に手順やコツが書かれていたとしても、それを全て把握して演習するというのはなかなか難しいものです。演習ではそういったところについて指導しています。 例えば、洗髪時の排水について『看みえ』の手順にはきちんと書かれていますが、学生はケリーパッドに水が溜まるということがそもそもよくわかっていないので、排水するはずの水で洗おうとする学生がいる。そういうときに1つ1つ「この水は冷めていくよね」や「お水を抜くんだよ」と声をかけて、教員が一緒に確認するようにしています。 ちなみに事前に『看みえ』などを参考に援助計画書を作ってきてもらい、学生はそこに教員からの助言や授業で学んだことを書いています。 ちなみにこのとき追加したことがわかるように違う色のペンでメモすることがポイントです。 ▲『看護がみえるvol.1基礎看護技術』p.189-190「洗髪」の「手順9 排水路をつくる」・「手順11 髪に湯をかける」より
樋口先生:『看みえ』などの書籍や動画を見ながら手順や根拠、留意点が含まれるように学生が考えて書いてきます。先ほど言ったように、この援助計画書に講義や演習を通して情報を追加してもらうようにしていますし、事後学習として内容を加えたり修正したりしてくるようにも言っています。演習はもちろん、実技試験や実習でも使ってもらうのが目的です。
樋口先生:はい、こちらで用意したワークシートを使って演習を振り返ってもらいます。ワークシートには、安全や安楽、自立に関連した質問を載せていて、学生はそれらについて自分が看護師役と患者役をやったときにどうだったか、何を感じたかを書いてくる。授業前にこのシートを配っていますので、学生は自主的に講義や演習でメモをしたり、看護師役をやったときに患者さん役の相手に自分の援助がどうだったか聞いたりしていますね。 また、授業の筆記試験対策として、先ほど事前学習のところでお話したようなGoogleフォームを活用して問題を出しています。回答するとすぐに正誤と押さえてほしいポイントや考え方を見られるようにしているため、学生はわからなかったところをもう一度見直せて、必要があれば手元にある『看みえ』などで振り返ることもできます。3回4回と繰り返して解き直す学生もいますね。
樋口先生:わかりやすくて、自主的に手に取る書籍ではないでしょうか。印象的なエピソードがありまして……、当校のオープンキャンパスで、学生が来ていた高校生たちに「これがうちの教科書。すごくわかりやすいでしょ!」と『看みえ』を薦めていたのです。実際、学生は『看みえ』をメインで使っていることが多いですし、それだけ自慢したくなる本なのだと思います。
樋口先生:演習の前までに学生に『看みえ』を読んできてもらうのがオススメです。『看みえ』を読むとどのように手技をやるのかイメージが湧くし根拠もわかる。繰り返しになりますが、『看みえ』はイメージづくりをする際に使うのにぴったりの書籍です。
※本インタビューは2020年10月に行われたものです。現在の所属・役職などは異なる場合がございます。
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