『看護がみえる』シリーズをご採用いただいている学校の先生方に、授業の進め方や『看護がみえる』のご活用法などについてインタビューしてきました。こちらの記事では川口市立看護専門学校の先生方のインタビューをご紹介しています。 →杏林大学の先生方のインタビュー記事はこちら
川口市立看護専門学校 看護学科 ●副校長 石原早苗先生 ●基礎看護学担当 専任教員 河野泉先生
石原先生:採用の決め手は、やはり手順がみえることです。学生は細かな手順がわからないものですが、『看みえ』には教科書で省略されているような部分まできちんと書かれていますし、流れに沿って写真が載っていますよね。だから『看みえ』を見ると学生は手技の流れがわかるようになるのです。 このような理由から当校では『看みえ①②③』を看護技術やフィジカルアセスメントの授業のサブテキストとして採用しています。『看みえ』は講義や演習ではもちろんのこと事前学習や事後学習でも使えますし、何より学生が積極的に見ていますね。
石原先生:はい、演習前の課題レポートや手順書を書くときの参考図書として『看みえ』を提示しています。他にも何冊か挙げているのですが、『看みえ』を参考にする学生が多いですね。押さえておきたい要点が1冊で網羅されていて、手順もわかりやすく書いてあるからではないでしょうか。 ▼石原早苗先生▼
河野先生:『看みえ』のイラストや写真を見せています。環境整備の講義では、『看みえ①』のp.44にある「ベッド周りの環境」の「悪い例」を提示しました。そして「どのように環境を整えればいいかな?」と聞いたところ、学生から具体的な意見が次々と……。1年生でも「点滴のルートが巻きつけてあるのがよくない」といった意見を出していましたね。実際にありうる状況が描かれている『看みえ』のイラストは授業でも活用しやすいです。 ▲『看護がみえるvol.1基礎看護技術』p.44「ベッド周りの環境」より また、何か疑問を投げかけた後、解決の糸口を示す際に「『看みえ』のこの写真をちょっと見てみて」と伝えることもよくあります。「実はこのページにとても重要なことが書いてあるんだけど……。〈なぜなら〉を見てみて」と促す場面も多いですね。そうすると学生たちは〈なぜなら〉が書いてあると気がつき、手技の根拠としてレポートに書いたり、ここをもう一度見て復習したりするのです。口頭で説明するだけではどうしても関心を集められないことがありますから。そういうときに『看みえ』に書かれている根拠を見てもらいながら説明すると、学生の注意を引くことができます。『看みえ』には、私が学生に知ってもらいたい根拠がしっかり書かれているので、とても助かりますね。 ▲『看護がみえるvol.3フィジカルアセスメント』p.124「打診による横隔膜の位置と可動域の測定」の「手順1 準備する」より
石原先生: 解剖生理の知識を確認しながら演習を行うときに、『看みえ』に載っている解剖生理のイラストを学生に見せています。特にフィジカルアセスメントは、自分が何を見ているのか、また何を聴いているのかを把握するために解剖生理の知識が重要です。 ちなみに、演習で解剖生理のイラストを見せるときは、学生が書籍を開く時間を省くために、事前に用意しておいた拡大コピーを提示するようにしています。必要があれば、あとで学生は自分の『看みえ』でそのイラストを見返しています。 河野先生:学生は演習でわからないことがあるときに『看みえ』を開いて調べています。教員が「持ってきてね」と言わなくても、自主的に『看みえ』を持ってきますね。先日の清潔の演習では、陰部洗浄をするときの体位がわからなかったり、便器の位置がわからなかったりするときに学生自ら『看みえ』を確認していました。 やはり技術の手順は実際の動きを見ないとわからないもの。しかし、目の前で教員がやってみせたり、動画を見せたりするだけでは、ストップせず次に進んでしまうため、初めて技術を学ぶ学生には細かい部分がつかめないときがあります。そんなときに要点がしっかり押さえられた『看みえ』を見ると、「こういう風にするんだ」と自分のペースで細かいところまで1つずつ理解できるのです。『看みえ』は次に行う手順がわかりやすいので、学生たちはグイグイ引き込まれているようです。 ▼河野泉先生▼
石原先生:『看みえ』には手順を行う際のコツや根拠などがきちんと書かれているにもかかわらず、学生は手順にばかり注目してしまいがち。そのため、学生がどこをみるべきなのか、教員が講義や演習で本の活用方法も教えないといけないと考えています。 また、『看みえ』は手順が細かく書いてありますが、それでも学生に技術を習得させようと思うと教員の教えるべきことはまだまだあります。例えば、書籍には取り上げられないようなちょっとしたコツやポイントなど……。そういったものについては講義や演習でやってみせながら教授するようにしています。
石原先生:技術演習を担当している看護師との演習前の打ち合わせで使っています。当校の技術演習では、実習病院先の看護師に学生指導をお願いしているため、事前に学校として教えたいことを『看みえ』の手順のページを見ながらすり合わせています。 『看みえ』には病院で使われている器具の写真が載っていて、現場で行われている手技と同じ手順が書かれているからか、看護師から見て臨床とのギャップがないみたいですね。また看護師自身も『看みえ』を見ることで改めて手技を復習できているのではないかなと思います。
石原先生:『看みえ①②③』は手順書という認識の学生や教員が多く、なかには低学年のうちに一通りできるようになれば必要ないと考えている人もいます。しかし、実際には手順だけではなく、概論や解剖生理、さらには患者さんの個別事例に対応した技術まで幅広く扱っていますよね。そのことを教員が意識して、学生に伝えられると、この書籍をもっと活用できるようになるのではないでしょうか。 例えば、応用として「今日は点滴をしている高齢者の患者さんを車いすでレントゲン室へ連れていきます。その際の注意点を考えて行動計画を立ててみましょう」といった事例の課題を出したときに『看みえ①』のp.95を参考にさせるのです。これで学生は、成人や老年などの領域別の事例展開をするときも『看みえ』が役に立つという体験ができますよね。そうすると実習でも観察項目や注意事項を考えるときに『看みえ』を見てくれます。 また、領域別の技術演習に入る前の復習にも『看みえ』は十分に使えます。このように『看みえ』は低学年の間だけでなく最終学年まで活用できる教材としておすすめです。 ▲『看護がみえるvol.1基礎看護技術』p.95「様々な状態の患者さんに対する確認事項」より
※本インタビューは2020年9月に行われたものです。現在の所属・役職などは異なる場合がございます。
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