『看護がみえる』シリーズをご採用いただいている学校の先生方に、授業の進め方や『看護がみえる』のご活用法などについてインタビューしてきました。こちらの記事では杏林大学の先生方のインタビューをご紹介しています。 →川口市立看護専門学校の先生方のインタビュー記事はこちら
杏林大学 保健学部 看護学科 看護養護教育学専攻 ●教授 荒添美紀先生 ●講師 佐野恵美香先生 ●講師 大坪裕子先生 ●助教 楠田美奈先生
佐野先生:実は学生が「『看護技術がみえる*』はすごく良い本!」と教えてくれたことが採用のきっかけです。学生が「先輩から実習で使える良い本だと聞いた」と言って実習に『看護技術がみえる』を持ってきていたのです。それで次の年に実習の参考書として紹介したところ、なんと学生がみんな『看みえ』を買うようになって。それならば臨地実習が始まる前の授業から活用し、学生が4年間この本を使えるようにと思い、1年生から導入することにしました。*『看護がみえる』シリーズの旧版 現在、看護技術とフィジカルアセスメントの科目において『看みえ』を教科書として採用していて、特に演習では『看みえ』をメインで使っています。
佐野先生:学生に手技の手順をイメージしてもらいたいときに、『看みえ』の手順写真やイラストを見るように言います。また、予習では講義で扱う内容に関する『看みえ』のページを読んできてもらいますね。講義では、例えば「血圧測定のマンシェットは肘から何センチのところで巻く?」といった質問をして学生が予習してきたかを確認します。質問をするときは「何センチ」のように細かいところまで聞くのがポイントです。 荒添先生:『看みえ』を教科書にしている授業は基礎科目のため、勉強の仕方や書籍の使い方を学ばせることも大切だと考えています。学生は、佐野先生が例で出したような質問になかなか答えられないもの。そういうときに『看みえ』のどのページに答えが書かれているかを確認させているのです。どこに、どのような情報があるかがわかれば、学生が実習に行ったときに自分で本を活用できるようになりますよね。 ▼荒添美紀先生
楠田先生:病院実習にほとんど行ったことのない学生たちに、病室の様子を教えるために『看みえ①』のp.42-43を使いました。病院にはさまざまな患者さんがいることや病室の昼と夜の違い、ゾーニングについて説明をするときに活用できるページです。学生は昼間の病院にしか行かないため、このイラストで夜の様子を教えられるのは助かりますね。この見開きページは個人的にもお気に入りで、実際に見せたり、写真で表したりすることができないこのアングルをイラストで再現するという発想がすごいなと感心しました。 ▲『看護がみえるvol.1基礎看護技術』p.42-43「病室環境のアセスメントと整備」より
佐野先生:演習は『看みえ』の手順をベースにすることが多いです。『看みえ』の手順は写真やイラストが豊富で、学生たちが流れをすぐに理解してくれるため演習で使うのに向いています。 また、手技の演習中に流れを確認したいとき、学生は自主的に『看みえ』を見ています。やはり『看みえ』は学生が見て学べるテキストだと思います。もちろん教員が『看みえ』を確認するように促すこともありますよ。例えば、投げかけた質問に学生が答えられないときには「『看みえ』ではどのように書いてあった?」と言って振り返らせます。 大坪先生:演習で楠田先生が出した質問に答えられず学生が黙り込んでしまったときに「『看みえ』を見て」と言ったら、すぐに該当するところを見ていましたよね。ページ数を教えていなかったのに、学生たちがパッと『看みえ』を確認して質問の答えを見つけたのには驚きました。 楠田先生:やはりたくさんの写真やイラストが載っていて印象に残るからか、学生はどのページに何が載っているのかよく覚えていますね。 ▼楠田美奈先生
佐野先生:演習中に他者評価を、演習後に自己評価をして、自分の手技を振り返ってもらうようにしています。他者評価は演習中にグループのなかでお互いの手技を評価し合うものです。具体的には『看みえ』の手順を見ながら、学生同士で「『看みえ』に載っているこの手技、できていなかったよ」というようにフィードバックし合います。こうすると自分が何をできていなかったかを把握することができますよね。学生はこの他者評価を把握したうえで、演習後に自己評価します。 自己評価は『看みえ』の手順を1つ1つ見ながら、演習での自分の手技を振り返るというもの。先日、感染予防として手洗いを演習したときは、『看みえ』に載っている手順通りにできたかを自己評価してもらいました。手技をひと通りやるだけでは技術を習得しきれないため、このように自己評価や他者評価を通して技術の定着を図るようにしています。 この自己評価は演習後だけでなく、実技試験の後にもやってもらいます。試験で使った教員用のチェック表に基づいて自己評価してもらい、教員からもフィードバックする。そうすると、教員の評価と学生の自己評価が一致せず、学生が「この手技はきちんとやっていたと思うのですが……」と言うことがあります。そのときに教員が「実際には、ここがこういう風にできていなかったのよ」と具体的に説明すると、学生は「やっていたつもりだったけれども、できていなかったのか」と気づくことができますよね。実技試験も技術習得の良い機会なのです。このように試験を受けたらそれで終わり、とならないように工夫しています。 ▼佐野恵美香先生
佐野先生:例えば『看みえ③』にある「頸動脈の聴診の評価」の補足として「大動脈弁狭窄症〔病②p.204〕」とあるように『病気がみえる』シリーズの参照ページが書かれているのが便利ですね。この参照ページのおかげで「どうして頸動脈に雑音が聞こえるのだろう」と疾患を調べようとしたときに『病気がみえる②循環器』p.204をすぐに確認できる。実習で『看みえ』を使うときには、このような点がありがたいです。メディックメディアさんはこのことをもっとアピールしたら良いのに、と思います。 大坪先生:『看みえ』1冊に学生に教えるべき必要な情報と写真が載っているので、教員がわざわざ手順書を作らなくてよいのもありがたいですね。 ▼大坪裕子先生 荒添先生:実用的なところがおすすめポイントです。『看みえ』には、技術のやり方はもちろんのこと、その手技に関する根拠や解剖が端的に書かれていますよね。だから、総復習をしたいときや実習前に『看みえ』を見れば手順とその周辺知識をサッと確認できる。学生にとって『看みえ』は実用書といえるのではないでしょうか。 楠田先生:私も『看みえ』は実用書だと思います。学生は実習で手技をやる場面になったときに、写真や絵を見て最後の確認をしていますよ。「準備できた?」と聞いたら「『看みえ』を最後にチェックしたいから少し待って」と学生から答えが返ってくることもしばしば……。こういう実用的な側面からも学生は『看みえ』を重宝しているようです。
※本インタビューは2020年9月に行われたものです。現在の所属・役職などは異なる場合がございます。
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